横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

心臓手術後の患者さんは新型コロナウィルス感染時の重症化リスクが上昇するのか?

2020-03-15 11:01:10 | 心臓病の治療
 心疾患や基礎疾患を持つ患者さん、高齢者は新型コロナウィルス感染症(COVIC-19)感染時に重症化しやすい、と報道されています。
 特に心不全の患者さんは免疫力が低下している、肺鬱血など肺炎発症時に重症化しやすい病態があることから重症化しやすいと考えられますが、では、弁置換術などを行って心機能が正常化しているひとはどうかというと、基本的に心疾患のない状態と同じではないかと思われます。弁置換術後の患者さん数人に質問されましたが、その患者さんが手術によって心機能が正常化している場合は、心臓は治っているので他の一般の普通の心機能の人と同じリスクです、と説明しています。これに関しては確たるエビデンスはありませんが、不要に過敏になることはないと思います。
 しかしながら誰がどこで感染するかもわからない現状では、うがい、手洗いの励行など基本的な予防措置をしっかりやっていく、これにつきると思います。

 昨日の3月14日、ホワイトデーのためか横浜駅周辺はものすごい人出でした。こうしたご時世でも贈り物をする心を忘れない日本人の姿勢は素晴らしい、と、買い物したお店の店員さんが言っていたのが印象的でした。
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手術時の手洗いの変遷 ブラッシング法からラビング法へ

2020-03-15 10:48:09 | その他
 手術の際に手指を滅菌する作業を「手洗い」と呼んでいますが、この数分間の滅菌作業、時代の変遷もあります。
 筆者が研修医時代から行っていたのは、習ったとおりではありますが、ブラシでイソジンスクラブを使用して3分×3回手洗いを行うというものでした。その当時からブラシが皮膚を損傷してそこが皮膚のバリアが壊れて細菌を持ち込む温床となるという意見もありましたが、昔ながらのやり方が継続されていたと記憶されています。
 その後、アメリカのCDCの感染予防ガイドラインが作られるようになり、日本でもこうした手術関連の感染予防の一般化が図られるようになってきました。
 その中での大きな変化は、それまで滅菌水で手洗いしていたのが、通常の水道水でも感染リスクが変わらないということが言われるようになり、水道水での手洗いが一般化したこと、そしてブラッシング法からアルコールを手指に擦り込むラビング法へと変わったことです。それまでのブラッシングによる皮脂や皮膚の汚れを落とす作業は最低限として、アルコールの擦り込みによる滅菌が中心となり、おそらく現在の医療施設の殆どでこの方法がこの10年ほど前から行われるようになりました。清潔に敏感な心臓外科医や整形外科医の一部に反発の動きも一時はありましたが、現在はそれが当たり前となって毎日実施されています。

 さて、昨今の新型コロナウィルスパンデミックによる混乱で消毒薬が不足して病院手術室にも手指擦り込み用のアルコールの入手が困難となってきました。消毒剤が無くなれば手術は出来なくなります。しかしながらこの混乱は、手指擦り込み用のアルコールのみの一時的な需給バランスの異常が引き起こすものであり、直ぐに解消されると思いますが、この手指擦り込み用アルコールが不足することで現在行われているラビング法が出来なくなりつつあります。それに打って変わって、昔行われていたブラッシング法をするように、と言われても現在の若手の看護師さんは、ラビング法しか知らない、という現実があると聞き、筆者も年齢を実感しました。今の若者はラビング法しかしらず、ブラッシング法をやれと言われても出来ない、痛い痛いと文句ばかりいう、のだそうです。
 最近感じたのは、13という数字を聞いて縁起が悪い、といっても若者には通じない、ということ。
 老年にさしかかった筆者にはこれからますますこうした世代間ギャップを日々感じることになりそうです。
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血圧の薬って一度始めたら一生飲み続けなければならないのですか?

2020-03-15 01:47:39 | 心臓病の治療
血圧の薬って一度始めたら一生飲み続けなければならないのですか?

 こんな質問をよく患者さんからされます。一生続けなければならなくなるから血圧の薬は飲みたくない、とも言われます。

 基本的に加齢によって動脈が硬くなり(動脈硬化)、血圧の弾力がなくなったことも関係して血圧が上昇します。血圧が上昇すると血管壁や左室心筋への負荷がさらに強くなり、またダメージが進むという悪循環が生まれます。この悪循環を断ち切るために降圧薬を開始、継続するのであり、これを止めると当然加齢によってますます動脈が硬くなって血圧が上昇していきます。
 血圧が上昇すると脳出血や脳梗塞、大動脈解離、大動脈瘤形成、閉塞性動脈硬化症、腎不全、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、弁膜症など生命にかかわる病気へ向かって進行していきます。これを防ぐのが降圧薬と考えると、血管の老化を防ぐ作用があるために降圧薬を継続すると考えると理解が得られやすいようです。
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