横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

上手な医療のかかり方アワードをうわまち病院小児科が受賞しました!!

2020-03-07 15:30:12 | 心臓病の治療
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000017233.html

 第一回「上手な医療のかかり方アワード」厚生労働省医政局長賞 医療関係者部門に横須賀市立うわまち病院小児科が受賞しました!
 病院部門では他に同じ地域医療振興協会の飯塚病院が受賞しました。第一回ということで、認知度は低いのかもしれませんが、たとえ何でも、受賞するということは誇らしいことにかわりありません。内容は上手な小児科のかかり方という内容で、公開医学講座で講演したことが表彰されたことと思います。
 横須賀市立うわまち病院の売りのひとつは、多くのスタッフをかかえる小児科であることは間違いありません。100名を超える医師が在籍する横須賀市立うわまち病院ですが、その1割以上の16名が小児科医で、毎日2名当直体制を敷き、NICUも運営しています。
 
 心臓血管外科がまだ県内でも導入している施設が少ないNO吸入療法(一酸化窒素吸入療法)の施設認定を取得し実際に治療を開始した際、NICUを抱える小児科も同時にこの施設認定を取得しています。

 次年度のアワードには心臓血管外科も応募してみようと思います。
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外科医の手洗い

2020-03-07 12:17:08 | その他


 外科医が手術の際に手の滅菌のために行う手洗いには、いくつかの作法がありますが、その中の基本的なこととして、指先を最も清潔に扱うということです。手を消毒することによって手術時の感染が減るということが発見されたのは1800年代後半で、さらに手袋をしたほうがさらに感染率が低下するということも、消化器外科手術が始まった1800年代後半に提唱された、と外科学の歴史の授業で習いました。
 その中で、特に指先、手掌など手首より末梢の滅菌が最も重要である為、滅菌水で手洗いする場合は、手から肘にかけて手洗いしたときに、肘についた水が手先の方へ垂れてこないようにして洗う作法が重要、ということで、外科医のドラマのイメージのように、手を挙げた状態で手術室に入ってきて、ガウンを着せてもらい最後に手袋をはくという手順になります。

 上記の過程の中で、手洗い中や手袋を履くまでの間に肘から下に手首を決して下げないように教育されてきた古い外科医?としては、昨今のドラマ(脳外科医の話)で手洗いシーンで肘より下に手を下げて手洗いしているシーンをみるとどうしても納得いきません。医療監修がその道のプロが指導してることが多い昨今ではその辺まで気を付けてドラマつくりがされていることが多いと思うのですが。

 この感想への反論としては、最近は手洗いは滅菌水ではなく水道水で十分で、手洗いは手の汚れや皮脂を落とす作業が目的であり、手指の滅菌はそのあとに行うアルコール液の擦り込み(ラビング法)が主な作業によるため水道水での手洗いでの今までの作法はもはや関係ない、ということなのかもしれません。
 また、脳外科の手術では創部感染はほとんど発生しないため(脳が露出するような外傷であっても、その創部は感染しないと言われている)、手洗いや滅菌ついていちいちうるさく言う必要はない、ということかもしれません。

 こうした年寄りの小言のような内容を書いている時点でもう「お年」なのかもしれません。
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