横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

CABG術後の再CABG

2020-03-04 09:36:51 | 心臓病の治療
 冠動脈バイパス術後に、新たな冠動脈病変が進行して再度冠動脈バイパス(CABG=Coronary Artery Bypass Grafting)を追加しなければならなくなった場合、どのようなアプローチがあるか。
①再胸骨正中切開で、癒着を剥離してCABGを追加する
②左開胸や上腹部切開のみで、再胸骨正中切開を避けてCABGを追加する
という選択肢があります。いわゆる後者はMICSアプローチでのCABG追加ということになりますが、こちらの最大のメリットはCABGが開存している場合は、その損傷のリスクを避けることが出来るということに限ります。しかしながら左開胸から上行大動脈への中枢側吻合や右内胸動脈の採取は困難と考えられますので、基本的には長めの大伏在静脈を採取して、下行大動脈や左腋窩動脈に中枢側吻合を行っての、左前下行枝、回旋枝領域への末梢吻合、と実施可能な手技は限られると思います。
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大網充填術:最も読まれている記事

2020-03-04 09:27:33 | 心臓病の治療
 この心臓血管外科診療に関して雑多なコメントを記載している内容となっています。
 もともと、これは心臓血管外科の診療や現実に関して間違った内容で記載されている他のブログ等に関しての反論として始めたものになりますが、かれこれ二年がたっています。いろいろと私見を記載させて頂きましたが、この中で最も読まれている記事は、「大網充填術」に関するものです。
 ホームページ等にはいろいろな心臓や血管の病気や治療法の説明が記載されていて検索する人は主にこのホームページの情報を集めて知識を集めているのが現状だと思います。しかしながらこうしたホームページに記載されている内容は、情報提供側が知って欲しい内容を記載しているのであって、知って欲しくない内容や不必要と判断された内容は一切記載されていません。まさにただのコマーシャルです。
 大網充填術の内容に関して記載されている記事はそういう意味で少ないのだと思います。それでいて、実際に術後感染が発生したりした際に、病院側から説明されてそれを理解しようとして検索すると実際はあまり情報が得られないという現実があるのだと思います。
 こちらで記載している内容は私見でもありますが、スタッフや患者さん、ご家族の方々から実際にあった質問や筆者が行った説明の内容などに関して記載してあるので、現実に近いものと思います。こうした疑問がある、など、あった場合はこれからも私見ながら記載を続けていきたいと思います。
 他には、左上大静脈遺残など、ニッチな内容の記事も多く読まれ散る内容です。
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