横須賀うわまち病院心臓血管外科

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心臓血管外科医に対するヘッドハンティング

2019-06-27 22:48:51 | その他
 心臓血管外科医に対するヘッドハンティング、オファーを頂いても現実的にすぐに移動するということは実際には難しいです。なぜならば、心臓血管外科はチーム医療であり、外科医、麻酔科医、ICU医、循環器内科医、救急医、臨床工学技士、看護師、リハビリ担当技師、検査科、放射線技師など他職種と一緒に臨床を形成するため、一人だけ引き抜かれて新しい施設に移動しても、それまで気心の知れたスタッフが一緒でないため、新たな人間関係、チーム関係を構築するのに時間がかかってしまうということになり、移動してすぐにハッピーというわけにはいかならいからです。
 これは、チームとしてうまく機能している施設で働く心臓血管外科医ほど顕著であり、突然の転職のオファーになびくということは、現在のチームがうまくいっていない、または施設に不満がある外科医ともいえます。そうした外科医は次の施設にいってもチーム医療がうまくいかない、施設に不満を持つ、などうまく機能しない可能性が高い外科医ともいえると思います。
 横須賀市立うわまち病院心臓血管外科としては非常にチームとして機能的にうまくいっている環境にあり、転職の話を頂いても、現状以上のチーム医療ができる環境はなかなか存在しないのが事実です。しかしながら、今後いろいろな荒波が発生して、チームの中に居づらくなったりした場合などの為に、避難場所を確保しておくことも、安定したチーム診療を継続するために必要なことと考えます。
 なかなかチームごと、もしくは病院ごと引き受けることができるところもないのは事実です。

 しかしながら、ヘッドハンティングという英語は、日本語で今回のような場合に使用するのではなく、刺客が敵のドンを殺すこと、や軍事用語ではスナイパーが一撃で敵の頭を撃ち抜くこと、それが転じて敵の大将を殺害することなどをいうそうで、トップを引き抜いて転職させることはScoutでいいそうです。いわゆるスカウト、です。
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