今回の第26回日本冠動脈外科学会では、前回の金沢で行われた学会ではほとんど見られなかったMICS-CABGのセッションが初めて多く取り上げられました。テクニカルセッションで2セッション、モーニングセミナー、招聘講演でも取り上げられ、具体的な手技面での議論が多く行われたことは、ようやくこれから普及していくという予兆のように思われました。多枝血行再建にするか、PCIとのHybridにするかも議論に値することですが、小開胸アプローチでの手術は、手術症例を紹介してくれる循環器内科医にとっては紹介のハードルを大きく下げることになり、心臓血管外科手術症例数を増やしていくためには今後必要になってくる術式と考えます。学会でも多く取り上げられるようになっていることは、今後その必要性が認識されてきた、ということの証拠であり、この流れは今後も続くものと思われます。今回の学会のテクニカルセッションでも、横須賀市立うわまち病院で行っている、左内胸動脈の次のグラフトを上行大動脈への中枢吻合した静脈グラフトとすることで多枝血行再建するMICS-CABGをより普及に貢献するという内容の発表をテクニカルセッションで行いました。横須賀市立うわまち病院心臓血管外科では、今後も可能な症例は積極的に左小開胸でのMICS-CABGを採用していく予定です。
上の世代でMID-CAB創世記に苦労した先輩の心臓血管外科医は、MICS-CABGには懐疑的だそうです。やはり正中切開との比較で吻合やグラフトデザインの面で劣るということが理由と思われます。しかしながら、側方小開胸でも正中切開と同等のクオリティの吻合デザインができる症例もあり、そうした症例を適応としていくことで普及していくものと考えます。とはいえ、積極的にMICS-CABGを採用しても当横須賀市立うわまち病院の現状3~4割の実施率をみても全体の3~4割程度となることがMAXかもしれません。
上の世代でMID-CAB創世記に苦労した先輩の心臓血管外科医は、MICS-CABGには懐疑的だそうです。やはり正中切開との比較で吻合やグラフトデザインの面で劣るということが理由と思われます。しかしながら、側方小開胸でも正中切開と同等のクオリティの吻合デザインができる症例もあり、そうした症例を適応としていくことで普及していくものと考えます。とはいえ、積極的にMICS-CABGを採用しても当横須賀市立うわまち病院の現状3~4割の実施率をみても全体の3~4割程度となることがMAXかもしれません。