ビョーク=シレイ弁、ビョーク-シャイリー弁、ビョーク・シレー弁ともいうようです。アメリカのエンジニアドナルド・シャイリーとスウェーデンの心臓外科医バイキングビョークによって共同発明されたもので、最初は耐久性がよい素材を使用したものとして1971年に売り出されたようですが、ディスクを支持する支柱が折れる事故が続出し、折れた症例の2/3、数百例が死亡する事態となり、アメリカで大規模な医療訴訟が行われたそうです。すべての症例で事故が起こるわけではないので、再手術するリスクのほうが高いという意見もあり、全例リコールに応じたわけではないようそうです。心臓外科の歴史の中では有名な弁ですが、現在の心臓外科医で実際に見たことのある人は少ないのではないでしょうか。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bj%C3%B6rk%E2%80%93Shiley_valve ウィキペディアには上記のアメリカの特許申請の際に提出されたイラストが掲載されており、詳しい解説があります。
検索するとなかなか画像は出てこなくて、https://ikakikai-hozon.org/collection/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%BF%83%E8%87%93%E5%BC%81 医科器械歴史資料間の模型しか出てきませんので、筆者が持っている実物はまさに貴重品といえるかもしれません。20年間心臓外科医をしていてこの一例しか見たことありません。実物は筆者が執刀した、再弁置換術の際に、患者さんからいただいたものです。患者さんのものですから、退院時に患者さんに差し上げたのですが、「ひととおりお親戚とかに見せて回ったので、先生ほしそうだからあげますっ!」って言われました。よっぽど欲しそうな顔をしていたんだと思います。
下町ロケットというドラマで、人工弁を開発する話では、このディスク傾斜弁から現在の形の二枚羽の人工弁に新しく開発するという話でした。また医龍というドラマでもこの人工弁を取り出すシーンがあったりしました(ちょうど自分がいただいた翌週にそのドラマで取り上げられて驚きました)。
現在、この人工弁をネットで検索すると、キャラ弁しか出てこないので笑ってしまいました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bj%C3%B6rk%E2%80%93Shiley_valve ウィキペディアには上記のアメリカの特許申請の際に提出されたイラストが掲載されており、詳しい解説があります。
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下町ロケットというドラマで、人工弁を開発する話では、このディスク傾斜弁から現在の形の二枚羽の人工弁に新しく開発するという話でした。また医龍というドラマでもこの人工弁を取り出すシーンがあったりしました(ちょうど自分がいただいた翌週にそのドラマで取り上げられて驚きました)。
現在、この人工弁をネットで検索すると、キャラ弁しか出てこないので笑ってしまいました。