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老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

 MRIの検査中に拾った句

2018-10-04 18:22:28 | 俳句


 医大のヘリポート。
少し楓が色づきはじめていた。

             色のなき風ヘリポートの吹流し

医大へ6ヶ月ぶりの検査に行く。
医大は大改修中で、6ヶ月も行かぬ間に診察室や検査室の美しくなっていること。
いくら綺麗になっているとはいえ、親しく来る場所ではない。

難病指定の定期検査を受ける。

MRI検査の大きな機械で肺を診てもらう。機械の説明はしない。機械に入ったことの無い人は幸せ。

その検査中、俳句が出来た。

             秋思はも骨断面す機械音

最初にこの部屋での季語を探す。無い無い。無機質な病院の検査室。埃?などあるわけがない。
空気は清浄器で、無菌に保たれている。
虫、花、これも、もしあれば大変な事。

秋の季語、、、秋思う 秋愁い まあそんなところが妥当だ。しかし春だと春愁、春思う、、
病室では景色、人の出入りがある。

石田波郷氏のように、サナトリュウムで名句を沢山に作っておられるが、何回も入院をしても
病院での句は難しい。

以前、入院をした時、心臓のステント治療をしている時、こんな句を作った。

               半身麻酔花火消へたり揚がつたり

ステントを心臓に入れる時は半身麻酔である。
治療中に血液の塊りが頭にとんだりする不足の事態になった時の為に、患者の意識を医師と疎通ができるように麻酔は半身となっている。

医師が声をかけて下さる。看護師が励ましてくださる。
そんな途中目を閉じると、目の裏に火花のようなものが飛ぶ。いたくも痒くもないが、それが
一句になった。花火ととらえた季語に。


さて今回は素直に、もし悪くなっていたらと不安がある。秋愁いじゃないか。
春だと春愁い、、、で季語としては弱いし動くが愁い事には違いない。

このように今日は俳句が一句拾えた。


             木の葉髪鏡に無い物ねだりけり


検査の結果は小康状態。まずは安心。
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