老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     藍の花

2018-10-13 07:27:44 | 俳句
                   
 
 迂闊、迂闊。
藍の花を知らなかった。
藍染の生地が好きで、藍染で何枚も洋服を作り、藍染の布でパッチワークの袋を作り、藍の愛好者でありながら、花を見て、これが藍の花だと断定を出来なかった自分が恥ずかしい。


         

 公園を散歩をしていると、ちょっとした花壇がある。
真っ赤なサルビアの花に誘われてゆくと、サルビアの横に赤まんまに似た花の一角があった。
赤まんまを花壇に植えるはずがないと思いつつ、写真を撮る。
薄紅の、まことに小さい小粒の花が帯状に咲いている。
花壇に植える?コントラストを良くするために、この地味な花を、と、、、
ひょっとしたら、藍の花?
 タデ科の一年草。赤のままもタデ科タデ属、そっくりといっても過言にはあらず。
帰って調べるとまさに藍の花。

              明日植うる藍の宵水たつぷりと     豊川湘風

 一番目の師、湘風先生は「藍の湘風」と俳句仲間から親しく呼ばれていた。
句集の名前も「藍」。先生のことを想い出した。

              藍咲くや橋流れしは二た昔     友岡子郷

 吉野川は昔から暴れ川と云われ、豪雨の度に氾濫をした。
氾濫をした肥沃の土地が藍を育てて、阿波の藍として全国に名前を馳せた。
友岡氏の句は、氾濫をした折りに流された橋を詠んだ句だ。
 私の記憶に「こんにゃく橋」というのがあり、それは木を何十枚も繋ぎ、こんにゃくのように、たよりの無い、水に流されると、直ぐに板を置けばよい、簡易な橋が吉野川の支流に架っていた。

       
              炎昼や藍刈る人のほか見へず    葉

 近所の藍を栽培している場所へ藍を刈る作業を見に行った時の詠んだ。
花は見ず炎天下に藍を刈っている作業を畑の近くで邪魔にならぬようには見せてもらった。
炎天下、汗をびっしょりとかき大変な作業だ。
一応、特選をもらった句だ。

 

      🍎     産土を亡き師を偲ぶ藍の花

      🍏     散紅葉ふらここの下に潦



     

















              
      
コメント
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