Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

ユートピア思考をやめよ

2008-06-25 23:09:00 | インポート
コナサン、ミンバンワ!梅雨本番。当地名古屋も降雨前の蒸し暑い天候となっています。

先月も触れましたが、裁判員制度発足まで後1年を切り、国民世論の支持不統一や法曹界の準備不足を理由に、この制度への反対論や延期論も根強く残っています。何よりも、一般国民による裁判員が、被告人に対し公正に「死の宣告」をせざるを得なくなった時にそれができるか?私も大いに疑問に思う所です。

その一方で、先般日本弁護士連合会により、終身刑制定を目指す意向が明らかにされました。今後相応の期間をかけて議論を行い、犯罪被害者や遺族各位の感情を十分に斟酌の上、受刑者に対する公正な施行が確約されるのであれば私も支持する考えはありますし、遠い将来の死刑廃止へ向けた一歩として、評価も可能かと思います。但し・・・
一部で主張される、拙速な死刑廃止への言動は断じて支持できかねます。

今夜は先日勤務先の上司より拝借した西日本発の全国紙、S新聞の1面記事を引用して話を進めさせて頂きたく思います。同紙はまず、先週死刑執行された1988=昭和63年より翌年にかけ東京都近郊にて生じた連続幼女誘拐殺人事件の犯人について取り上げています。(氏名のみ匿名)

『もう45歳のネズミ人間になっていたのか。一昨日、昭和と平成をまたいで全国を震撼させた幼女連続誘拐殺人事件の犯人、M死刑囚の刑が執行された。26歳の「おたく」青年は、逮捕から20年近く生きながらえたが、殺された子供たち4人はかわいい盛りで時計が止まったままだ。

H法相は、就任以来13人の死刑執行を命じた。平成では最多の執行数とあって「H法相は、ほぼ2カ月おきに死刑を執行し、ベルトコンベアーのごとく処理している」とかみついた国会議員の集団がある。

S・K氏が会長を務め、K・K、F(女性・某野党々首)両氏といったおなじみの面々も名前を連ねている超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」だ。S・K氏はH法相を「法相の資格もなければ、人間の資格もない」とまで口を極めて罵ったことがあるが、正義は同法相の方にある。

刑事訴訟法第475条は、死刑が確定すれば、法相は再審請求が出ているときなどを除いて6カ月以内に刑の執行を命令しなければならない、と定めている。宗教上の理由などから在任中、死刑執行の命令を1度もしなかった法相が何人かいるが、彼らこそ法律違反者だ。

神ならぬ人間が人間を裁き、死をもって罪を贖わすのはいかがなものか。国家による殺人だ、という死刑廃止論者の理屈は一見、もっともに見える。だが、凶悪犯の衣食住を保障し、国民の税金で一生のうのうと過ごさせることが社会正義にかなうはずがない。

2年前に刑が確定した元O真理教代表、A死刑囚もM死刑囚同様、自ら罪を悔い、被害者遺族に謝罪する可能性はゼロに近い。欧州連合EUでは死刑を廃止しているので日本も、という出羽守(でわのかみ)はさっさと文明の都、パリあたりに移住されてはいかがか?』

S抄 2008=平成20年6月19日付

この文面を、皆様はどうお感じになりますか? 私は若干の語弊はあるものの、凶悪事件に斃れた犯罪被害者及び遺族各位の感情に良く配慮した、妥当な見解であるものと見ています。現状の死刑制度を肯定し尊重する一方で、S紙は最近の終身刑制度模索への動きをも否定せず、冷静に受け止めている様に見受けられます。将来へ向かっては、条件さえ整えば死刑廃止へ向けた動きに対してもやぶさかではないものと思われます。それに引き替えH法相を平然と「死に神」呼ばわりした全国紙A新聞の不見識と非礼には、本当に唖然とさせられたものでした。

顧みるに死刑廃止派の動きの拙速さは目に余るものがある様ですね。
先月も東京都内にて廃止派の会合があった様ですが、発言者の多くは最近のセキュリティ装置の信頼性向上につけ込んだ死刑早期廃止とか、死刑・終身刑のいずれにも反対などと言った児戯に近い低レベルなものに終わった模様です。

所詮は戦勝国よりの下賜たる日本国憲法により蔓延した底の浅い性善説を一方的に信じ込んだ事より来る拙劣極まる見解。欧州の死刑廃止を一方的に丸飲みして祖国日本の刑罰を推し量ろうとする浅慮は、最早自虐史観の落とし子としか申し様がありません。
そもそも我国における死刑廃止の急先鋒は社会民主党。同党の支離滅裂ぶりは心ある方ならご存じでしょう。
自党にとり好印象な所だけを持ち上げるユートピア思考=短絡的理想主義の振りまわしはもういい加減に糾されるべきでしょう。それから脱する事ができないのであれば、主権者たる国民は同党に解党を強く要求して良いと思います。同時に司法当局に対しても、裁判員制度の安直な実施を止めさせる決断を要求すべき。これこそは議会制民主主義に基づく、国民の大切な基本的人権なのであります。
その様な実行を勇気をもって積み重ねる事が、凶悪事件に斃れた犠牲各位への、何よりの供養になると私は信じますね。*(日本)*
コメント
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