皇統の継承問題、議論の放置不可は分かるが

今年に入り、神奈川県下の東海道山陽新幹線・小田原駅付近にて　不審者による線路内立ち入りが複数回生じ、その都度「抑止」と呼ばれる一時運転見合わせや数時間近い列車ダイヤの乱れなど不良な影響が生じている様だ。

先日分で確か今年 2回目だと思うが、いずれも当該人物は途中で行方をくらまし確保できておらず、放置すれば今後何度か同じ支障が生じかねない。運行を司る JR東海社は、小田原駅周りに容易に人物などが立ち入れる隙や空間がないか　詳細な点検の早急実施と共に、次回同様の事象があれば、確実に当該人物を確保して警察と共に列車妨害などの意図がなかったか？強い姿勢で究明を願いたい。単に迷惑の度を超え、乗客各位の安全に関わる重大事態に繋がりかねないからだ。

本題です。高止まりの感ある物価や人口、それに外交安保策など大変な状況は理解するも、燻り続ける皇統・皇位継承問題が放置されているのではないかとの指摘も聞く。本当はそれではならないのは認めるも、決して拙速な議論の進行が許されるものでないのも事実。以下　今日の読売新聞ネット記事を引用して、みて参ろうと思う。

「皇位継承論議、唐突な首相の呼びかけに自民戸惑い『統一(地)選前に党内二分する議論避けたい』」

岸田首相が　安定的な皇位継承策の検討を急ぐように求めたことを巡り、自民党内で戸惑いが広がっている。党幹部にも事前の調整がなかったためで、停滞した議論を動かす機運は盛り上がっていない。

★ 1年進展せず

首相は 2/26の自民党大会で「安定的な皇位継承を確保する方策への対応も先送りの許されない課題で、国会における検討を進めていく」と強調した。

政府は昨年 1月、皇族数の確保策として [1]皇族女子を結婚後も皇室に残す [2]旧皇族の男系男子を　養子縁組で皇籍に復帰させるーの 2案を軸とする有識者会議の報告書を国会に提出した。細田衆院議長は各党の議論に委ねたが、自民党は麻生副総裁を座長とする「懇談会」を 1度開いただけで、議論はこの 1年間　進んでいない。首相の発言には、こうした現状を打破する狙いがあったとみられる。

ただ　自民党執行部の一人は「首相発言は唐突で、具体的な指示は何もない」と明かす。皇位継承策の議論を深堀すれば、保守派に反発が強い女性・女系天皇や　女性宮家創設の是非も取り上げざるを得ず、4月の統一地方選などを前に「党内を二分するような議論を避けたい」というのが自民内の大勢だ。

★「維新」は積極的

他の党も進展していない。公明党は　昨年 2月に検討委員会の初会合を開いたものの、政府側からの聴取にとどまっている。

立憲民主党は　昨年 1月、野田佳彦・元首相がトップの検討委員会を設けたが、党内の意見が割れており　集約していない。泉代表は 3/3の記者会見で「自民党が議論する環境を作るべきだ」と求める一方、立憲民主(側)の見解をまとめることには否定的な見解を示した。国民民主党も昨年、党内に検討の場を設けたが、結論は出していない。

最も議論に積極的なのは、日本維新の会だ。「維新」は昨年 4月、旧皇族の男系男子を皇籍に復帰させる案を評価する意見書を国会に提出し、皇室典範改正を主張した。馬場代表は 2/28の記者会見で「他の政党は (問題を)棚ざらしにしている。議論を開始すべき時だ」と呼びかけた。(引用ここまで)

確かに放置は良くない一方、我国の「国柄」にも関わる枢要な固有文化の根幹にも関わり　特に慎重万全な向き合いが厳しく求められる事共だけに、取り扱いが難しいのも事実だ。拙者は基本、前述報告書の [2]を基本支持する者で、その上でやむを得ない場合は　男系の継承を前提に一時的な女性天皇も容認という、これまでの史実を尊重する立場。よく聞こえる様に　今上陛下直系の　愛子内親王を次期天皇に推す声には与しない者だ。認めれば、将来の女系天皇論に勢いを与えかねず、それでは我国将来の国柄を大きく損ねかねないからである。

それにしても、岸田総理も日本維新の会他も　皇位継承の問題については拙速に陥らぬ様願いたいものだ。既に国会宛て報告書が提出済の状況は分かるが、徒に検討を急いで良い問題ではないのも事実。ここは　内外の諸問題、特に外交安保を一日も早く心強いものにする為にも、憲法改正の議論を加速させるべきではないか。

かねて招請を聞く　危機下にあるウクライナ国訪問を安全に叶える為に、自衛隊が総理の身辺警護に当たれない現状は　やはり明らかにおかしい。これ以上「日本の常識は世界の非常識」を増やさない為にも、必要な憲法改正議論の方を先行して進めて頂く位で良いと思う。

それに関して　今後当面の人口減少に鑑み、国会参院を廃止して一院化する為の議論にも　蛮勇を以て着手を願いたいもの。岸田総理にそこまでの勇気を期待するのは無理かもだが。今回画像は少し前、当地名古屋市内南部の高層建物の眼下を行く東海道・山陽新幹線試験列車「ドクター・イエロー」の様子を。保安上の理由もあり、現在は立ち入れなくなった様なのが残念な所です。