Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

アルファ・クラブ (胃の手術を受けた人へ)

2006-01-05 | 医療・病気・いのち
 毎月私の手元に届けて頂いているパンフットに、「ALPHA CLUB」があります。これは胃を切除した人の患者会であるアルファ・クラブが発行しているものです。一人の方が胃癌により胃を切除して自身の後遺症に苦しんだ体験から、多くの方に胃切除後のケアに関する情報を提供しようと設立されたものだそうです。
 患者さん自身の視点から、また、医師の視点から、胃に関するいろいろな情報が出ています。医師の私が読んでも、「そうかあ」と改めて気づかされる内容も有ります。
 会の宣言には、
  「胃を切った人は自らの努力と工夫で、術後の後遺症を克服してゆこう。
  そして普通の人よりむしろプラス・アルファ元気に長生きしよう。」
 という風に掲げてあります。胃の手術を受けた方は、一度手に取ってみても損はないと思いますよ。
 許可を得ているわけではないので、リンクは張りませんが、「アルファ、クラブ、胃」などのキーワードでたどり着けると思います。


胃癌治療ガイドライン

2006-01-05 | 医療・病気・いのち
 日本は世界的にみて胃癌の多い国であり、胃癌に関して多くの経験が積み重ねられてきました。その積み重ねを基礎として、進行度に応じた最適な治療方針の目安として示されたのが、日本胃癌学会編集の「胃癌治療ガイドライン」です。医療を提供する側も、受ける側も共通の認識をもつことを目指して作成されたものです。

 もし、胃癌と診断された方がおられましたら、医師からの説明を聞く前に、このガイドラインを通読することをお勧めします。読んでかえって不安になる内容も有るかもしれませんが、相手を知らなければもっと不安です。しっかりと現実を見つめ、自分の受けたい治療を選択していきましょう。

 このガイドラインには、医師用と解説用が有り、解説用は書店に申し込めば取り寄せてくれます。医師の説明を聞いて、ガイドラインの内容とあまりにかけ離れているような場合は、しっかりその医師に疑問点をぶつけましょう。満足いく回答が得られなければ、セカンドオピニオンを求めることも考慮した方が良いかもしれません。

 ちなみに、山崎豊子原作「白い巨塔(劇場版:主演田宮二郎)」のなかに出てくる財前教授の専門も胃癌(噴門部癌)という設定でした。


狂牛病と狂犬病

2006-01-05 | 想い・雑感
 狂犬病の原因が分からなかった頃、パスツールは狂犬病にかかった動物の唾液を正常動物の脳内に注入するという実験を行った。注入された動物はやはり狂犬病を発症したことから、感染性の疾患であることが確認された。さらにパスツールは狂犬病で死んだ動物の乾燥させた脊髄からワクチンの製造に成功した。
 このたび北海道立畜産試験場で、BSEで死亡した牛の脳0.1グラムを、ホルスタインの雌牛の脳内に直接接種するという実験が行われ、そのうちの数頭が、BSE初期とみられる症状を示したという。この研究を一つの契機として、BSE、ひいては広くプリオン病の病態と治療法が発見されることを心から願う。
 一旦診断されれば、治療法のないBSE。それは近い将来確実に死が訪れることを意味する。ある意味、癌以上に恐ろしい病だ。さらに感染性疾患であることから、患者以外への拡散を絶対に防ぐ必要がある。
 一方政府は、米国産牛肉の輸入再開を決めた。これが現在あらゆる分野でみられる、安全神話崩壊の一つとならなければよいのだが。