Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

疼痛コントロールの階段

2006-01-13 | 医療・病気・いのち
 緩和ケアという言葉をご存じですか。
 痛みその他のつらい症状を緩和するための医療です。
 皆さんは、こういう医療のすべてを、ホスピスや緩和ケア病棟でしか受けられないと思ってはいませんか。確かに、場としての提供はそういう所でしか無理かもしれませんが、症状を取るという意味だけならば、一般病棟でもかなりの部分可能なのです。
 例えば、癌による痛み。
 痛みの取り方はいろいろ有り、医療者がそれを勉強すれば、その痛みをかなりの部分取ることが出来るのです。その段階的痛みの取り方が、疼痛ラダー(階段)と呼ばれるものです。細かい薬の使い方などは病院により違いますが、その基本は同じです。
 外科医は、癌治療のため、直接体にメスを入れます。その中にはどうしても再発してくる人もいます。そして多くの場合外科医は最後まで、自分が執刀した患者さんに責任を感じ、抗癌剤を使用し、代替医療を模索し、必要なら緩和ケアを行います。それを行わないのは、外科医の怠慢だと思います。

時は帰らぬ

2006-01-13 | 想い・雑感
 日々を重ねるにつれて、時というものは決して帰らぬことを経験し、だからこそ今ここを大切に生きなければならないことを身にしみて感じる。
 すべての出会いが一期一会。毎日のように目にする風景、出会う人々、生き物、建物、風、そして自分自身も、その時その場所での出会いは生涯一度きり。

 どうしてあの時立ち止まらなかったんだろう。
 どうして耳を澄まさなかったのだろう。心を開いて話さなかったのだろう。
 しっかりと見つめなかったのだろう。

 山のような後悔。
 

痛みは我慢しないで

2006-01-13 | 想い・雑感
 手術前の説明で、私が必ず患者本人にお願いすることがあります。
 「術後の痛みは我慢せずに教えてください。」 ということです。
 痛みがあると、深呼吸をしにくいし、体も動かしにくいということになるので
肺合併症を起こしやすくなったり、深部静脈血栓症を併発しやすくなったり、腸管蠕動の回復が遅れる傾向が出たりする可能性があります。我慢した方が良くなるなら我慢していただくのですが、我慢せずに痛みをなるべく無くしてあげた方が術後の経過は良くなるのです。
 今後胸部や腹部の手術を受ける方、特に、我慢が美徳と考えている方、痛みは我慢せずに、きちっと看護師や医師に伝えてくださいね。