Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

特発性食道破裂

2006-01-30 | 想い・雑感
 当直をしているといろいろな病気の人がやってくる。
 当然当直医の専門領域の患者さんがやってくるとは限らない。
 必要な判断は、重症度と緊急度である。
 様子を見ていいのか?、直ちに治療が必要なのか?、対症療法のみでよいのか、専門医へのコンサルトは?手術は必要か?、高次医療機関への搬送は?などである。これらを短時間で判断する知識と経験を常に磨かなければならない。そして、外科の場合は知識に加え技術が必要となる。

 先日救急車で搬送されてきた方は、到着時に頻呼吸と、冷汗を認め、見るからに重症。直ちに血液検査、レントゲン検査、CTなどを行った。縦隔への液体貯留と気種。食道透視で食道破裂と診断し直ちに緊急手術となった。

 食道破裂。経験ある医師はそれほど多くなく、一般の方はほとんど耳にしたこともない病気。

 救急車を受け入れると言うことは、担当する医師に多くのものを要求することになる。政府やマスコミの表層的論調では、救急医が少ないことを医師の責任のごとき言い回しも見られるが、そのような医師を育てる環境が整っていないとも言える。

 さらには、欧米に比べ、低く抑えられている技術料。
 外科は、益々ハイリスク、ローリターンになっていく。

 今は、小児科医、産婦人科医、麻酔科医の不足が問題になっているようだが、外科医を目指す若者は少なくなっている。外科医不足もそんなに遠い未来ではないと思う。

運動の効果

2006-01-30 | 想い・雑感
 約3ヶ月前、我が家に体重計がやってきた。
 どの程度正確かは分からないが、体脂肪と内臓脂肪が計測できるもの。
 その値に愕然。まじめに事務通いを開始した。

 変化
 下腹が少ししまった。
 以前のように、立ったまま靴下がはけるようになった。
 歩くのが全く苦にならなくなった。
 そして、肩が凝らなくなった。

 これまでは、家電量販店に行くと必ず全身マッサージ器に座っていた私が、全く座ることがなくなったのだ。長時間の手術も、ほとんど腰に応えず。快調快調。

 やはり、人間も動物。動くことが自然なのかもしれませんね。

胃癌の症状

2006-01-30 | 医療・病気・いのち
 「何も症状が無かったのに、いつの間にこんなに進行していたのでしょうか。」
 患者さんから良く受ける質問です。

 胃癌は症状も無く静かに進行していく場合も多いので、定期的に検査を受けるほうが、より早期に見つかる可能性が高くなります。

 ちなみに、以下のような症状が主なものです。必ずしも胃癌だけに見られる症状ではありませんが、症状がある方はぜひ医療機関で検査をうけてください。

 早期胃癌の段階では症状が出にくいのですが、心窩部痛、胃部不快感、出血(吐血、下血)などでみつかることがあります。ただし、早期がんの段階で症状が出現し、癌が見つかる方は幸運な方だと思います。

 進行がんになると痛みが出現することもありますが、意外と痛みが主な症状であることは少ないようです。体重が減る、吐き気が持続する、全身倦怠感がある、食事が食べられない、吐血や下血をおこす、上腹部にしこりを触れるなどの症状が主なものです。このような症状が出てくると、中には手術自体が無理なほど進行している方も含まれてきます。

 中には全身に転移を起こしていてもほとんど自覚症状は無く、血液検査で貧血といわれ検査を受けに来た、という方もおられます。

 自分の身を守るには、定期健診がもっとも近道と思います。ただし、それで100%安心とも言い切れないところが難しいのですが…。