Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

リンパ節郭清

2006-01-24 | 医療・病気・いのち
 癌が原発巣の周囲や遠くの臓器に転移する場合、血液やリンパ液の中を流れていきます。そのうちリンパ液を漂って流れていった癌細胞はリンパ節にたどり着き、時にそこで仲間を増やします。これがリンパ節転移です。

 臓器によって流れていきやすいリンパ節の場所がある程度分かっていますので、癌に対する定型的手術の場合、その場所のリンパ節郭清を行います。手術中にリンパ節を目で見ても、触っても転移が有るかどうかは分からない場合が多いので、癌細胞が流れ込みやすい領域のリンパ節をきちっと取ってしまうわけです。きちっと取って初めてリンパ節郭清と呼ばれ、腫れているリンパ節をつまむように取っても、それは郭清と呼ぶべきではありません。

 これまでいろいろな方の手術を見てきて、郭清があまい外科医はやはり時にいるというのが現状です。手術の巧拙を見るのなら、リンパ節郭清をみれば分かります。 だけど、日本の保険制度というのは、ベテランが手術しても、初心者が手術しても同じ保険点数というのが、今だに納得がいかない。まあ、長くやっていれば手術が上手とも限らないのが、難しいとも言えますが…