Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

癒着性イレウス

2006-01-26 | 医療・病気・いのち
 お腹を開けるような手術をすると、大なり小なり癒着が起こります。組織と組織がくっついてしまうのです。腸と腸、腸と腹膜などがくっついてしまうのです。

 その癒着が原因で腸内容の通りが悪くなったり、完全に通らなくなったりするのが、癒着性イレウス(腸閉塞)です。 癒着によるイレウスになりやすいのは必ずしも大きな手術の後というわけではなく、急性虫垂炎(いわゆる盲腸)の手術や、子宮の手術の後などに起こることも多いのです。ホースがたった一カ所捻れただけで水が出なくなるのと同じように、腸も癒着をしたところを支点として捻れただけで、内容が通らなくなってしまうのです。

 最近では、お腹を閉じる前に癒着を防ぐシートを置いたりすることも有りますが、完全に防ぐことはできません。 イレウスの時の一般的症状は、周期的に襲ってくる差し込むような痛み、おならが出なくなる、便が出なくなる、お腹が張ってくる、吐くなどです。お腹の手術の既往がある方で、強い腹痛が出た場合には、我慢せずに診察を受けてください。

 なお、手術をしてなくてもお腹の中に炎症を起こしたことが有れば、やはり癒着が起こっていることがあり、イレウスの原因となることが有ります。