Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

遠隔転移、再発

2006-02-07 | 医療・病気・いのち
 癌は最初に出来た所から離れた場所に仲間を作ることが多く、これを転移といいます。

 癌の手術をした後は、定期的に検査を行い、転移、再発をを起こしていないかを見ます。もし、転移や再発を認めれば、本人が拒否しない限り、そのことをお伝えすることになります。

 転移を起こした、あるいは再発をした、ということは、ご本人にとって大きなショックです。でもすぐに転移に対してどのような治療方法を選択していくかを決めていかなければならず、落ち込んでばかりはいられません。

 もう一度手術をするのか、抗癌剤をつかうのか、放射線を当てるのか、代替療法を選択するのか、あるいは以上のものを組み合わせていくのか。いくつかの選択があります。

 治療法がきまり、治療を開始すると、次に治療の効果を見ることになります。効いていれば、精神的に少し楽になります。効いていないと、がっくりし次の治療方法を探ることになります。

 しかし、再発した場合に、手術で取れなければ、他の治療方法で完治することは極めて稀です。積極的治療方法が無くなってきて、癌に伴う何らかの症状が出てくれば、徐々に緩和ケアのウェイトが増えてきます。

 ご本人は、何かが効いてまだひょっとすると直るかもしれないという希望は持ちつつも、かなり諦観が強くなってきます。

 この時期になると、医師は知識とともに人間としての経験を総合して、治療とともにケアを目指すことになります。でもここで、ご本人や家族の感情のみに引きずられては、冷静な判断が出来ないし、その感情からあまり距離を置きすぎてもコミュニケーションが取れないし。難しい…。