Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

アロマセラピスト?

2006-02-15 | 想い・雑感
 私が診療を担当している方は主に消化器癌の方です。手術により完治する方も多いのですが、再発する方、手術自体ができない方など、癌により命を失う方も少なからずおられます。そのような方の最後を、より苦痛の少ないものにしていくという視点から、代替医療と言われるものにも期待しているし、取り入れたいとも考えています。
 代替医療としては指圧、鍼灸、マッサージ、音楽、動物など多くのものがあげられています。その中にアロマセラピーと言うものもあり、興味を持っています。
 そこで先日、近隣のデパート内に店を構えている、アロマ専門店なるものを覗いてみました。東京が本社というその店に近づくと、オープンスペースにあるにも関わらず、かなりの臭い(香り?)を周囲に発散していました。強いにおいが苦手な私は、一瞬たじろぎました。「この店の感覚は、間違いなく緩和ケアでは使えないよな。」しかし、アロマセラピスト検定の教科書なるものを見てみるという目的があるので店内へ。その教科書は店の片隅に2冊置いてありました。でも内容は、どんな種類のアロマがあるか等がほとんどで、やや失望しました。
 店として、医療機関との関係づくりに興味があるかを店員にお聞きしたところ、ほとんど意味が分からないと言う感じで、 医療との結びつく可能性など全く念頭にない様子でした。また7~8人その時に店員がいたと思いますが、その店にはアロマセラピストなるひとは1人もいないとのことでした。
 「この店は、アロマを香水の延長、商売の一つとしてしか考えておらず、セラピーと名の付くものとは無縁なんだな。」という感想。ホームページやブログを見ていると、志の高いアロマ関係者もおられるようですが、この程度の店が専門店として顔を利かしているようでは、代替医療として広く認知されるまでの道はまだまだ遠いと感じた次第です。