Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

ディスポ製品

2006-02-16 | 想い・雑感
 世の中様々な製品のリサイクルが試みられ、循環型社会を目指している面も見られる。しかし、医療現場は使い捨てのオンパレード。

 昔子供の頃の予防接種は、ガラスの注射器に使い回しの針。その後血液を介した様々な感染症の問題が明らかとなり、使い捨ての時代に。

 注射器、針、手袋、ガウン、胃管、メス、自動縫合器、などなど、びっくりするくらい使い捨て。感染の危険を排除しつつ、もう少しリサイクルする術は無いのであろうか。

 あーモッタイナイ!!

胃癌からの肝転移

2006-02-16 | 医療・病気・いのち
 胃や大腸から流れ出ていく血液のほとんどすべては、肝臓に流れ込みます。ですから、消化管にできた癌から血液の流れに乗って転移を起こすときには、肝臓への転移が多く見られます。

 大腸から肝臓へ転移を起こした場合は、転移巣の個数が少なかったり、肝臓の一所に集中して現れたりすることが比較的多いようです。そこで、肝臓以外に転移がない可能性が高ければ、手術で転移巣を取ることにより、予後の改善がかなり期待できます。これは発表されてきた多くの論文で検証されているところです。

 一方、胃癌からの転移の場合は、肝臓の広い範囲に多発することが多く、手術の適応となることはあまりありません。その際には、抗癌剤の全身投与や、場合によっては抗癌剤を直接肝臓へ行く動脈へ送り込む動注療法を行うことになりますが、予後はかなり厳しいことが多いようです。

 でも中には、手術可能な方もおられます。かなりの進行胃癌で胃全摘を施行した○□さんは、術後1年3ヶ月で、肝臓の後下区域への再発を認めました。抗癌剤の内服で3ヶ月様子を見ても、検査で他の領域に明らかな再発巣を認めず、ご相談の上肝切除を行いました。それから3年、抗癌剤を中止して1年たちましたが、現時点での再発は認めません。

 このような方は、胃癌では少ないのですが、人の体に個性があるように、同じ癌を患った方でも1人1人、症状の出方、進行度、再発の場所や形式などにも個性があります。私どもが病気の説明をさせていただくときは、どうしても全体の平均値的な内容になってしまいます。進行癌と医師から説明されても、それをそのまま自分のこと、あるいは家族のことと悲観するばかりでなく、希望をもって治療を選択していく、というのも生き方の一つだと感じます。