Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

食育?

2006-02-21 | 想い・雑感
 数年前から、食育という言葉を聞く機会が増えたが、食育基本法なるものが制定されていたとは、不勉強にして知らなかった。正しい食生活の普及を目指して、昨年(2005年)の7月に施行となっているらしい。

 何をもって正しい食生活とするのか、何を根拠に正しいとするのか、詳細は知らないが、国民の食生活が乱れていることや、不規則な食事が子どもの成長に悪影響を与えていることなどを憂えて、立法されたらしい。

 栄養の問題が重要であることは、全く賛成である。しかし基本法なるものの概略を読むと、食という視点からあまりにも精神論へ広げて提示しすぎているように感じる。

 その基本法を背景に、具体的計画案の一つとして、朝食を抜く「欠食」の小学生を0%にすることを目指す推進案が提出されたらしい。よけいなお世話という感じもする。2000年の調査では4%の小学生が朝食を食べていないらしいが、そもそもこの割合が増えているのか減っているのか分からないし、思ったよりみなちゃんと朝食取っているじゃないかとも思う。さらに、朝食を取らない不利益というのはどういうものがあり、それを支持するきちっとしたデータが在るのかも分からない。

 食育というのは、食を通じて、育み、教育するという意味が込められているのだろうから、食育を推進していく過程で、政府はしっかりと私たち国民にわかりやすい授業をして頂きたい。

 ただ、私には、「食育を推進するための法人や団体を作ることにより、食を通じて天下り先を育成する」という文脈も在るように思えるのだがいかがだろうか。
 

術後の定期検査

2006-02-21 | 医療・病気・いのち
 胃癌の術後には定期的にいくつかの検査をします。

 術後の合併症が出ていないかを調べることと、再発してないかを検討するためです。

 早期癌ならば最初の1年は3ヶ月毎、2年目3年目は半年に一回、4年目と5年目は年一回と言うところでしょうか。
 進行癌ならば3年間は3ヶ月毎、4年目5年目は半年に一度。

 胃癌の場合再発すると根治は難しい場合が多いですが、それでも少しでも早く見つけた方が、治癒の可能性が出てきます。

 ちょうど手術を受けた月に、年ごとの検査を行います。2年経ちましたね3年経ちましたね、と無再発アニバーサリーはどちらにとってもうれしいものです。

手術前の禁煙

2006-02-21 | 想い・雑感
 全身麻酔が必要となる手術前には一ヶ月程度の禁煙が必要です。
それが出来ない方の手術はお断りします。

 喫煙により気管支の慢性炎症が起こるため、術後の痰が非常に多くなります。それにより術後の肺感染症の危険が高くなります。術後の肺炎は命にも関わりうる合併症です。

 喫煙により、赤血球の中のヘモグロビンに一酸化炭素が強く結合します。本来ヘモグロビンが体の隅々まで運搬する酸素より一酸化炭素の方が強く結合するために、酸素の運び手が少ない状況となります。術後の回復にも当然体は酸素を必要としているので、回復が遅れる可能性があります。

 患者さん自身の姿勢で手術のリスクを減らす術があるのに、それを実行できない方に、危険を押してまで手術をお引き受けするつもりはありません。