きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

渇き

2010年04月08日 | 韓国
渇き(原題:박쥐)  2009年  ☆☆☆☆
監督:パク・チャヌク 
出演:ソン・ガンホ、キム・オクピン、キム・ヘスク、シン・ハギュン

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強烈でひと言で感想が言えない映画だわ~
監督がパク・チャヌクじゃなくて
主演がソン・ガンホがじゃなくて
カンヌ国際映画祭で審査委員賞受賞してなかったら
日本でこうやって公開してたかなぁ

異端といいますかマニアックといいますか
大衆に受けいれられる映画じゃないよね
私は面白かったですけど

神父サンヒョンが自己犠牲の精神から自分の身体を実験に捧げて吸血鬼になってしまい
血と人妻に対する渇き(欲望)と信仰心との間で葛藤する話かと
もうちょっと精神的なものを描くのかと想像してたんですけど

でもそういう見かたよりも、、
単純に、、
「吸血ホラー映画」と言ってしまった方がわかりやいかも

それもかなりブラックユーモアがちりばめられてません?
「独身男性の宣教師にだけ感染するエマニュエル・ウィルス」っていうフレーズだけでなんか可笑しいし
だってエマニュエル・ウィルスって(笑)

マージャン仲間のスンデとヨンドゥが吸血鬼になったテジュに血をチューチュー吸われて、風呂場に吊るされて血がぽたぽた落ちるんだけど(書いててかなり自虐的な気分だわ、苦笑)
この2人がソン・ヨンチャンとオ・ダルスだから
なんか可笑しいんですよね(実際に映画館でそのシーンでは笑いが起きた)

サンヒョンも血を吸わないと死んじゃうから
人の迷惑にならないようになんとか工面するんだけど
病院のベットの床に寝て点滴から血をチューチュー吸うのも笑うしかない

サンヒョンに殺されたテジュの旦那のガウン(シン・ハギュン)が妄想のように現れるんだけど
寒がりだったから鼻水いっぱいたらしながら2人が絡むシーンに絡む(苦笑)
怖くておぞましいけど、笑える

出演している俳優すべてが名演技で見ごたえあります
特にキム・オクピンは体当たりの演技で
主演のソン・ガンホを喰ってしまうほどの強烈さでした

嫁と姑・夫との異様な関係の中で奴隷のように抑圧されて生きてきたテジュ(キム・オクピン)が自ら望んで吸血鬼になって不死身になりすごいパワーを持つと
今度は今まで抑圧されてきたので解放されたのか、やりたい放題
サンヒョンと人妻テジュの恋愛、、なんてロマンチックなものより抑圧からの解放
それをキム・オクピンはすさまじい迫力で演じました
そしてとても綺麗でした

サービスデイに行った映画館で50席にも満たない小さな劇場
私の周りはなぜか男性が多くて
R15指定の映画で
いつもと違う雰囲気で(ちょっと居心地悪かった、笑)観た映画ですけど
今まで経験したことがない強烈な映画で面白かった

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病院に勤める神父サンヒョン(ソン・ガンホ)は死んでいく患者を看取る毎日に
無力感を感じていた。海外で秘密裏に進行しているワクチン開発実験に自発的に参加する。それは独身男性の宣教師にだけ感染するエマニュエル・ウィルスワクチンだった。実験途中でウイルスに感染して死んでしまうが輸血により奇跡的に蘇生する。しかしその血はサンヒョンを吸血鬼にしてしまった。人間の血を吸わないと全身に水疱が現れ多量に吐血し確実に死んでしまうのだ。サンヒョンは釜山の孤児院にいた頃の幼なじみカンウ(シン・ハギュン)に会う。カンウは食道癌だったがサンヒョンが祈ると奇跡的に治癒した。やはり幼なじみのテジュ(キム・オクピン)はカンウの妻になっていた。サンヒョンは美しいテジュに許されない欲望を抱く。サンヒョンは血と人妻への許されない渇望を抑えられなくなっていた。