こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

冷や水

2018年11月26日 00時32分24秒 | Weblog
 三十数人の親子が集う客席を前に緊張して、頭は空白状態。人前でのパフォーマンスは三十年近くやっていないし、もともと人見知りする性格。失敗する条件は揃い過ぎている。
「つねじいさんの紙芝居だよ~!」
 出だしはお道化てみたが、体はカチンコチンで、万事休す!ところが「パチパチパチ!」と拍手の波が、耳に心地よく響いた。拍手の効果は凄い。緊張がみるみる解けていく。
「王様の耳はロバの耳~!」
「知ってるお話だ!」子供たちの反応の良さに、ますます乗って来る自分を感じた。
 二十年前、アマチュア劇団でバリバリやっていた調子が戻ってきた。メルヘンパフォーマンスと銘打って、姫路市内の公園を巡回公演したあの頃の再生だ。紙芝居を取り囲む子供たちとの交流に、相好を崩しっぱなしだったあの幸せな時間を、いま取り戻した!
「よかったです。子供たち大喜びしてました」
 企画してくれたまちづくり協会スタッフの興奮気味な称賛を受けても、こちらはそれどころじゃなかった。全力投球し過ぎたようだ。
 あと数か月で七十になる。二、三十代と同じようにやれるはずはないのだ。『つねじいさん』と謳っているにも関わらず、加齢を甘く見過ぎて、跳ねたり跳んだりしたのが効いた。
 呼吸を整えて、お客さんを見送りに出ると「パチパチパチ!」出迎えた子供の笑顔を見つけると、自然に顔が綻ぶ。幸せだな~!
 年寄りの冷や水が、病みつきになりそうだ。
コメント
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