こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ゴクリ

2016年03月27日 01時47分39秒 | 文芸
スーパーの

食品売り場を歩いていると、

「いかがですか?

無調整の……!」

牛乳の試飲コーナーが出ていた。

若い女性スタッフが、

少しづつ小分けしたのを

通りかかる客に勧めている。

愛そう笑いにしては

魅力的な笑顔だ。

「ひとつもらいます」

「はい。どうぞ試してください。

北海道の……!」

彼女のセルフトークは

耳障りが良くて

逆によくわからない。

ひと口、ゴクリっと。

{ん?」

よく違いが判らない。

無調整も調整も無脂肪も

値段の違いは歴然だが、

その違いは全く分からない。

「いかがですか?」

「うん。おいしいね」

優しいとこう受け答えしてしまう。

さらに言わずでもがなな

「でも値段高いよね」

「はい」

「ぼく、年金生活だから、

やっぱり安いので我慢するわ」

彼女は噴出した。

嫌みのない

素敵な笑顔だった。

「またお願いします」

「ああ。頑張ってね」




つかの間の交流だ。

それが

最近は楽しい。

癒されるってこういうことなんだ




人間ひとりじゃ生きられないっていうけど

本当は一人の方が生きやすいんだよな。




でも

用もないのに

スーパーに足が向いてしまうのは

笑っちゃうけど

人恋しいんだろうな。

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