こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

もがいて……うらやんだだけ

2015年06月23日 00時02分45秒 | 文芸
もがいて……うらやんだだけ

 何が何でも親子で住めるマイホームを。重大な決意をして臨んだ年だったが、結果は現状維持で涙をのむことになった。甘く見ても落第点間違いなし。妻と共同作戦であらゆる物件の情報に走り回った末の結果である。
 頼りにしていた不動産屋の担当者が「しばらくこれはという物件は出ませんよ。みんな大手が押さえてこっちまで回って来ない状況ですから。1,2年待つしかないですな。と言っても必ず適当な物件が出て来るとの確約は……」と言葉を濁しながらの最後通告が8月の末ごろ。そこで業者を代えて再アタックとなったが、こちらも、どうもハッキリしないままである。
 まあ、こちらの条件が難しいのは分かっている。店舗付き住宅で子育てに適したところなんて無理な相談なのかも知れない。手持ちの資金が充分潤沢なら、その限りではなかろうが、大口をたたける懐じゃない。
「やっと一戸建てに入居しました。また遊びに来て下さい」なる知人からのはがきを手に、自分の甲斐性のなさを思い知った年でもある。しかも12月に3人目の子どもが生まれては、完全にマイホーム作戦は凍結するしかない。
 夫婦どちらかの手が取られれば、仕事をこなすのが精いっぱいの生活では何をか言わんやである。
(神戸・1988・12・27掲載)

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