老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1503;さくらの花びら100枚手にして・・・・

2020-04-17 12:30:56 | 老いの光影 第6章 「老い」と「生い」
さくらの花びら100枚手にして・・・・

登喜子婆さん 4月19日の深夜 病室で
あの世に逝かれた。
長男は危篤の電話を受ける
老母を見送ることはできなかった。

登喜子婆さんは、病室の窓から
さくらの景色を眺めることができたのであろうか

コロナウイルス感染防止対策から
家族の面会はできなくなり
寂しい思いをしながら亡くなっていった。
寂しく悲しく切なく 最後の病魔には勝てなかったけれども
本当に本当に最後まで「頑張った」彼女。
「人生万歳」、こころのなかで静かに唱えた

数えで100歳になる彼女
風雪の1世紀を生き抜いた彼女
彼女が最後、笑顔で握り返してくれた両手のぬくもり

さくらの樹の下で 
さくらの花びら100枚 
手のひらに乗せ
さくらの匂いを感じさせたかった

さくらが咲いていたのに

毎年さくらの花が咲くとき
登喜子婆さんの笑顔を思い出す
天国で桜花爛漫の花見をしているかな