Tくん(小6):
かっこいいブギウギの曲「ハーマンズ・ブギ」に挑戦しています。
ブギウギは、12小節で1コーラス。これが何種類ものアドリブによって演奏されます。
いろんな点でクラシックの弾き方とは異なるブギウギのノリを、Tくんはよくがんばって身につけてきたと思います。
もう曲の最後まで全部覚えて、いっしょうけんめい弾いているんですが・・・
どうしても、弾きながら何回も何回も止まってしまいます。
ミスタッチで止まる。
手の用意が間に合わなくて止まる。
何の音だったか考えて止まる。
ミスタッチしそうになって止まる。
こんな具合で、止まらず弾ける部分の方が少ないかも、という状態です。
そこで先生は言いました。
「Tくん、ブギウギはさ、かっこよさが命なんだよ。スピードとかっこよさ。」
「うん・・・」
「確かに、この曲は難しいよ。それに速いよ。だけどね、『難しいです。苦労してます』っていう顔を人に見せちゃいけないの。どんなにどんなに難しくても、苦労しても、それを表に出さず、ささーっとかっこよく弾かなきゃいけないの。それが『ショーマンシップ』ってもんなのよ。意味わかる?」
「ショーマンシップ?・・・」
「Tくんはサッカーやってるんだから、『スポーツマンシップ』は知ってるよね?」
「ああ、わかった。正々堂々と、とかっていうことでしょ」
「そうそう。それの、ショーバージョンだよ。ステージに出る人の心意気のことよ」
「ああ、その『ショー』か。お笑い芸人とかの根性?」
うん・・・まあ、そうも言えるかもしれんが。
ここで先生は、必殺技を使いました。
「Tくんは、もう子どもじゃないんだからさ。Tちゃんや、ほかの小学生の女の子たちとはもう違うんだし」と、わざとさりげなく言いながら 横目でTくんの反応を見ると
「うん、まあ・・・」
Tくんもさりげに答えながらも、口元は 思わずにんまりほころびそうになってる
「だからね、子どもっぽい弾き方はしないでほしいのよ。大人っぽく、かっこよくやってほしいわけ。『青年』らしく」
にまま~
「お客さんから『ボク、小さいのにがんばって、えらかったね』っていう、『温かい拍手』もらって、小さい子ならそれでいいけど、それはやだよね?」
「うん、それはやだ」
「じゃ、今度の時まで、つっかえる所はよくチェックして、止まらずかっこよく弾けるようにしてきてね」
「うん、わかった!」
さあ、けっこう必殺パンチを浴びせました。
次回のレッスン、『青年T』はどう成長してくるか
かっこいいブギウギの曲「ハーマンズ・ブギ」に挑戦しています。
ブギウギは、12小節で1コーラス。これが何種類ものアドリブによって演奏されます。
いろんな点でクラシックの弾き方とは異なるブギウギのノリを、Tくんはよくがんばって身につけてきたと思います。
もう曲の最後まで全部覚えて、いっしょうけんめい弾いているんですが・・・
どうしても、弾きながら何回も何回も止まってしまいます。
ミスタッチで止まる。
手の用意が間に合わなくて止まる。
何の音だったか考えて止まる。
ミスタッチしそうになって止まる。
こんな具合で、止まらず弾ける部分の方が少ないかも、という状態です。
そこで先生は言いました。
「Tくん、ブギウギはさ、かっこよさが命なんだよ。スピードとかっこよさ。」
「うん・・・」
「確かに、この曲は難しいよ。それに速いよ。だけどね、『難しいです。苦労してます』っていう顔を人に見せちゃいけないの。どんなにどんなに難しくても、苦労しても、それを表に出さず、ささーっとかっこよく弾かなきゃいけないの。それが『ショーマンシップ』ってもんなのよ。意味わかる?」
「ショーマンシップ?・・・」
「Tくんはサッカーやってるんだから、『スポーツマンシップ』は知ってるよね?」
「ああ、わかった。正々堂々と、とかっていうことでしょ」
「そうそう。それの、ショーバージョンだよ。ステージに出る人の心意気のことよ」
「ああ、その『ショー』か。お笑い芸人とかの根性?」
うん・・・まあ、そうも言えるかもしれんが。
ここで先生は、必殺技を使いました。
「Tくんは、もう子どもじゃないんだからさ。Tちゃんや、ほかの小学生の女の子たちとはもう違うんだし」と、わざとさりげなく言いながら 横目でTくんの反応を見ると
「うん、まあ・・・」
Tくんもさりげに答えながらも、口元は 思わずにんまりほころびそうになってる
「だからね、子どもっぽい弾き方はしないでほしいのよ。大人っぽく、かっこよくやってほしいわけ。『青年』らしく」
にまま~
「お客さんから『ボク、小さいのにがんばって、えらかったね』っていう、『温かい拍手』もらって、小さい子ならそれでいいけど、それはやだよね?」
「うん、それはやだ」
「じゃ、今度の時まで、つっかえる所はよくチェックして、止まらずかっこよく弾けるようにしてきてね」
「うん、わかった!」
さあ、けっこう必殺パンチを浴びせました。
次回のレッスン、『青年T』はどう成長してくるか