さっきの日記でちょっと書いた「チューリップはヨナ抜き音階」ということ。
「ヨナ抜き」の「ヨナ」とは、「4(よん)番目」と「7(なな)番目」のことで、ヨナ抜きというのは、音階の中の4番目と7番目の音抜き、その音がない、ということです。
ハ長調のヨナ抜き音階に例を取ると、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、と、4番目のファ、7番目のシがありません。
これは日本でもともと使われていた歌や音楽に由来しています。
民謡とか演歌、それとか琴や三味線、雅楽などの古い音楽は、西洋音楽とちがった独特の音階で作られていて、それが「和風」の雰囲気を出しています。
日本に西洋音楽が入ってきて、「唱歌」などが作られ始めたのは明治時代ですが、西洋の音楽理論、記譜法を使っていても、それまでに耳なじんだ「ヨナ抜き音階」の世界観が染みついた日本人には、作る側も聞いたり歌ったりする側も、この音階による旋律が心地良かったのでしょう、そのため、そのころ作られた曲には「ヨナ抜き音階」の曲がとても多いのです。
「チューリップ」「はとぽっぽ」「おしょうがつ」「まめまき」など、文部省唱歌にたくさん見られます。
また、それ以降時代が進んでも、ヨナ抜き音階による曲は日本人の耳にとても受けがよく、歌謡曲などにもよく使われていますよ。
みんなも「ヨナ抜き音階」の曲をさがしてみてね。
ちなみに、ヨナ抜き音階の曲は、黒鍵だけで全部弾けます。
ためしに「チューリップ」を、上の画像で赤いマークのついている音を「ド」と考えて弾いてみましょう。
ねっ、ぜんぶ黒鍵だけで弾けるでしょ。
余談ですが、スコットランド民謡でも似たような音階を用いた曲がたくさんあります。
「蛍の光」とか「庭の千草」とかの曲が、なんとなく懐かしい感じを誘い日本人好みと言われるのは、この「ヨナ抜き音階」で日本の歌との共通点があるからです。
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