HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「やさしい花」はバッハの音楽の手法で出来てる

2019年05月21日 | ブルクミュラー

K子さん(大人):

ブルクミュラー「やさしい花」を予習してきました。

「一応やったんですけど、何か意味というか課題みたいなものが、よく分からないし、弾きにくくて」とのこと。

8分音符が連続して並んでる、この曲。

確かに、ただ弾くとカタカタと無機質な音が並んだだけになってしまう

「この曲は、右手と左手、それぞれが持ってるメロディックなフレーズが、次々と交差して出てくるの。しかもほら、きっちり順番に出てくるんじゃなく、すこーし重なり合って来てるじゃない?たとえば」

ヒバリ先生が「ここと」「ここ」と言って弾いたのは、メロディーの冒頭です。

右手2小節目の「ファミドラー」とに続いて左手の「ソミドラー」が、2拍遅れて追いかけているので、右手の最後と左手の最初が重なっています。

譜面を見ると、2つのフレーズは同じリズム、同じ規則性の音並びを持っていることがわかります。

「あら、ほんとだ!このフレーズとこのフレーズが同じ形で、セットになってるなんて、全然気がつかなかったわ!」とK子さんはびっくり。

よく見ると、他にもいっぱい、このような「同じリズム形のセット」が、あちこちに隠されているのが見えてきます。

「ほら、こことここも。こっちにも」

「あらー、本当だ〜」

実は、これはバッハが使った「模倣」という手法で、フーガとかにも使われているものなのです。

この「やさしい花」という小曲、「模倣」モチーフが並行、反行、ズレ、同時進行、など、さまざまな配置で盛り込まれて、まるでバロック曲。

なのに、その旋律は軽いフランス風で、「バロック様式」だとは感づかれない。

もしかしたらブルクミュラーさんは、この「やさしい花」を作曲する時、バッハのパロディーごっこをして遊んでみたのかもしれないね。

そういうわけなので、みなさん、「やさしい花」が難しいなあ、と思ったら「これはバロック音楽のミニチュア体験なんだから!」と考えてがんばりましょう(笑)

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