HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Tさん、練習UP!

2020年11月29日 | クラシック曲

Tさん(大人・男性)

以前はヒバリんちの並びのアパートに住んでいて「一番近くの生徒」だったTさんですが、今は引っ越したので、電車で通ってくる「遠くの生徒」です。

会社のお仕事がとても忙しく帰りも夜遅く、なかなかピアノの練習ができないという悩みの中、何とか時間を捻出して努力してきました。

今日は、発表会前最後のレッスン日です。

曲はベートーヴェン作曲ピアノソナタ「悲愴」の第一楽章。

Tさん自ら「弾きたい」と選んだ曲です。

まずは通して弾いてもらいました。

重々しい和音で始まる、グラーヴェ(重々しく、荘重に)の序奏。

さすが大人の男性なので、低音が響く迫力のサウンドです。ちびっこのヒバリ先生には出せない音。

間合いもいい。

続いて... 来ました、急速テンポの第一主題。

この部分の左手トレモロに、何度泣かされたことでしょう。悪魔もおびえる「伝説のトレモロ」とは、この「悲愴第一楽章」のことです。

そのトレモロも克服してます。がんばった!

両手が目まぐるしくクロスする第二主題、メロディーとトレモロ伴奏を弾き分ける推移部を経て、次々展開していくソナタの世界。

転調につぐ転調、トレモロにつぐトレモロ、そして大迫力のフィニッシュ和音。

いやー、がんばりました。

Tさんご本人は、「まだまだ弾けてない。前より弾けなくなった所もある・・・」と自信なさげですが、ヒバリが前回聴かせてもらった時よりずっと良くなっているのです。

テンポが上がり、旋律もクリアに響き、トレモロだってなめらかに弾けてる。

「前より下手になった」と感じるのは、こうして曲を仕上げていくときに多くの人が感じることで、曲に慣れてテンポが上がってきてるため、つまずく箇所が出ることがあるためです。

そういう部分を拾い出してミスしないように強化しておけば、全体的に見たら大変良いペースになってることが実感できると思います。

これでTさん、練習UPです。

来週の今日、自信もって弾いてください。

ところで、今回、発表会での「悲愴」ですが、今年がベートーヴェン生誕250年という記念イヤーであることにちなみ、1楽章ずつ分担して、全3楽章通し3人リレーで弾こう、と計画しています。

第一楽章Tさん、第二楽章ドクター、第三楽章Mちゃん(高1)。

通常、ソナタの演奏では、全部の楽章を通して一人の奏者が演奏し、楽章ごとに拍手はしません。

全部通しての作品、であるからです。

でも今回はプロではなく生徒の発表会だし、分担だしね・・・

と思ってヒバリ先生が考えたのは、

全3楽章まで 3人の演奏が終わったら、改めて第一楽章、第二楽章、第三楽章の演奏者が並んで、一緒に礼をする。だけど、各楽章ごとに終わったときも、せっかくだから拍手は送ろう。ということでした。

でも、Tさんは「ソナタだから、やっぱり拍手は無しで、最後に3人で礼と拍手がいいです」と言いました。

拍手もらわないの寂しいかな、と思ったけど、ご本人が拍手無しでいいなら、それはもう文句なしです。

正統派スタイルでいきましょう!

ドクター、Mちゃん、よろしくです。

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