M子さん(大人):
子どもの頃 ピアノを習っていたというM子さん、お孫さんがいる年齢になってから、ピアノに再チャレンジして3年目です。
「子どもが弾くような、易しく弾けるピアノ曲が弾きたいです」という希望でしたが、「それならこういうのはどうですか?」と「やさしいピアノ名曲150」という楽譜集をお渡ししたのでした。
みんながよく知っているようなクラシック、ポピュラー、映画音楽、世界の民謡などが、すべてハ長調(イ短調)のメロディーだけで書かれて、コードネームがついているのです。
初めてのコード奏法に戸惑いながらも、「まあ、こんな弾き方、初めてです。楽しく弾けるんですね!」と喜んでくれたのでよかったです。
今日は、先週やったロシア民謡の「コロブチカ」(『テトリス』の音楽ですよ〜♪)を 軽快な2(ツー)ビートで仕上げ、「楽しくなってきました!」とニコニコされていました。
「テトリス」、じゃない、「コロブチカ」が上手に出来て、次は何弾きましょうか?
「あの、これは難しいでしょうか…?」
M子さんがオズオズと開いたのは「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」のページです。
「大丈夫ですよ。とってもきれいな曲ですよね?!」と、ヒバリ先生はお手本を弾いてあげようと思ったのですが、その前にちょっとM子さんに確認です。
「この曲、どんな感じでイメージしてましたか?」
この「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」は、もともとジャズのスタンダードナンバーで、1950年代に、美しいワルツの曲としてリリースされたものでした。その10年後くらいからは、ボサノヴァ・バージョンがヒットし、すっかりボサノヴァの曲として定着してきました。
そして現在一番ホットなのは、エヴァンゲリオンのエンドテーマとしておなじみですよね。
M子さんの「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」って、どのバージョンなんでしょう。せっかくだから、イメージにぴったりの「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」を弾いてあげたいので…
「こんな感じです。ラーラララ ラーラララ…」
M子さんが、とってもきれいな声で歌ってくれました。
わかりました!ワルツですね。
そこで、ヒバリがとびっきり美しく「ワルツ・フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」のお手本を弾き、来週、これをレッスンしましょうね、ということにしました。
それにしても、「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」という曲…
なんて息長く、いろんなバージョンで演奏されてきたことでしょう。
これこそ本当の「スタンダードナンバー」ですね。