K子さん(大人):
発表会のために練習している「イタリア協奏曲」、もう最後までできて、曲全体をまとめていく段階です。
初めから弾いてみます。
出だしははつらつと、みんなのよく知っているあのメロディー。
1ページ、2ページと弾いていくうち、指番号の込み入ったところや16分音符が続くところなどで、だんだんテンポが落ち・・・あるいは前後関係の速さのバランスがあいまいになり・・・そして、ふたたび初めのテーマが出てきたときは、なぜか最初のはつらつとしたテンポとは別の曲かのように、ゆっくりになってしまっています。
「大分伸びちゃったねぇ・・・?同じメロディーのはずなのに、はじめは元気で、こっちはノロい」とヒバリ先生。
「初めに調子よく弾いちゃうと、難しいところが追いつかなくなってくるのよね。まずは、この、難しくて遅くなっちゃうところを弾いてみて。そして、そのテンポに合わせて冒頭を弾き始めれば、全体が同じテンポで弾けるから。」
K子さんがそのようにしてみると、お見事、全体が同じテンポで弾けました。
K子さんは「この曲、2拍子でしょう。なんか数えにくくて。それに、細かい音はいいんだけど、かえって、4分音符2つ、とかになったとき、どれくらいの間合いで弾けばいいのか分からなくなって・・・」と、テンポがあいまいになる原因にも気づいているようです。
例えばこんなところ。
図の1小節目、2小節目は16分音符のキザミだったり、8分音符にも16分音符が対応して刻んでいるからいいけど、3小節目に来たとき、いきなりぽっかりとゆとりの4分音符になって、どれだけ伸ばせばいいのか、どんな間合いで弾いたらいいのかわからない、ということだと思います。
なるほど、4分音符は最初っから「1拍」と刷り込まれているから、いきなり「1」って、どんな1なの・・・と思うかもしれませんね。
でも、4分音符=「1」ではないし、常に1拍とも限りません。
要は、割合の問題なのです。
4分音符は16分音符4つ分の長さなのですから、図の譜面で3小節目を弾くときは、その前に弾いていた16分音符の速さで「タタタタ」と4つぶん、心の中で数えて伸ばせばいいです。
また、この「イタリア協奏曲」は4分の2拍子ですが、それが分かりづらかったら、「4分音符が2つの2拍子」と捉えないで、「8分音符が4つの4拍子」ととらえたらどうですか。
なんなら拍をとる練習の間だけ、音価をすべて2倍にして「4分の4」とイメージしてもいいです。
16分音符→8分音符、8分音符→4分音符、4分音符→2分音符 と置き換えるのです。
そうしたら、上の楽譜もこんな見慣れたイメージになり、わかりやすくなりますよ。↓
音価の割合をきちんと取るには、細かいほうの音符を基準にして、長い音符はその何倍か?と数えるのがコツです。
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