モーツァルトの「6つのウィーンソナチネ」から、1番・ハ長調を練習しています。
この「6つのソナチネ」は、1783年ウィーンで作曲されたものですが、もともとは バセットホルン(クラリネット)2本、ファゴット2本で演奏するための「ディィベルティメント」として書かれたものです。
1783年といえば モーツァルトは27才で、新婚さんだった年です。(関係ないけど)
Hさんはピアノに対してとても真摯な姿勢で向かっている生徒さんなので、「編曲もの」や「ダイジェスト楽譜」は大嫌い。
よく、「やさしく弾ける有名曲」「クラシックをハ長調で」などという曲集がありますが、そういったものは一切おことわりです。
有名曲が弾きたければ、オリジナル楽譜が弾けるレベルになるまでがんばってから、本物を弾く!という姿勢を貫いています。
じゃあ、この「ウィーンソナチネ」は、編曲ものだから失格でしょうか?
そんなことはありません。
Hさんのこだわりをわかっていて、私は敢えて この「ウィーンソナチネ」を勧めてみました。
ピアノ学習者がみんな習う「ソナチネアルバム」には、クーラウやクレメンティのソナチネがたくさん収録されています。
それらはすべて、ピアノのためのオリジナル曲です。初歩の学習者のために作られた。
けれど、モーツァルトの「ウィーンソナチネ」は、ソナチネアルバムには収録されていません。
また、学習者用の練習曲ではありません。
れっきとした「室内楽」です。
そのため、ピアノでは弾きにくい音型があったり、難しい部分があったりします。
けれども、これはまさしくモーツァルトのスタイルであり、彼の管弦楽曲の形やオーケストレーションを縮小したような形。
モーツァルトのオーケストラ曲を学ぶのに 大変よい教材だといえます。
「ソナチネ」っていうのは、「ソナタより難易度が低く、レベルが低いもの」という意味じゃなく、「規模が小さい」という意味ですからね。
そういった意味で、この「ウィーンソナチネ」は、天才モーツァルトの音楽に 小さな規模で触れることのできる、とても嬉しい楽譜集なんですよ。
みなさんも、機会があったら弾いてみてくださいね。
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