HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「はた」恐怖症?

2016年03月23日 | 音符・楽譜・テクニック
Hさん(大人):
「バッハ・インヴェンション」「バッハ・シンフォニア」と進み、とうとう最後の「シンフォニア15番」となりました。
ひとつ前の「シンフォニア14番」が、キレイだけれどもその分、とても難しかったので、最後の15番はどんだけ難しいんだろう~と恐れをなしてしまいますが、意外や、15番はカンタンですよ~
・・・と、先週 私はHさんにお話しして、「では来週、15番・・・」と宿題にしていたのでした。
今日、レッスンに来て楽譜を広げたHさん、開口一番
「難しいですぅ~」と恨めし気。
「難しい?! そうかな?!」
「リズムが、難しいんです。わ・た・し・に・は、ねっ」
自称「リズム音痴」のHさん、音符に「はた」が2本とか3本とかつくと、もうそれだけでパァァ~ と目がくらんでしまうらしい。
「はた」というのは、8分音符や16分音符についてる小さな旗状の記号のことです。
「はた」が続けて出てきたりすると、もう「速いんだ!」と緊張のあまり、必要以上に猛スピードで弾いてしまうのです。
「15番」が 8分の9拍子、つまり3拍子×3つ という、みんなの苦手な3拍子がそれも3倍の複合拍子になっている、というのも取っつきにくい理由です。

そこで、15番は右手と左手のメロディーの受け渡しがほとんどないのを幸い、Hさんには右手だけ弾いてもらって私がわかりやすい伴奏をつけてみることにしました。
ぶん・ちゃっ、ちゃっ のワルツのリズムや、3拍子系の分散和音の伴奏などです。
そうしたら、16分音符のタイミングがきっちりつかめたようで、Hさん一人で弾いても なんとか大丈夫になりました。

もう一曲、並行してレッスンしている「ベートーベンのソナチネ・ロンド」。
こちらにも何度か、「ターン」という、一種の装飾音符が入ってきます。
1拍分の音符の上に ちっちゃな16分音符が4つもチマチマと書き込んであるので、Hさんはその箇所にくると途端に緊張し、身体中が硬直して 肝心のターンの音符がろくすっぽ弾けない状態になってしまいます。
同じことが、すぐ後の左手アルペジオにも起こります。
「ここは、実はそんなに速くないんですよ。ゆっくり一つ一つの音を弾いても充分間に合います」と、ターン、アルペジオの手本を示し、Hさん自身にもゆっくり弾いて充分間に合うことを確かめてもらいました。
実際に音にしてみて、ゆっくりで間に合うことがわかり、Hさんも安心したようです。
ケイレンでも起こしたかのような緊張はなくなり、やわらかに弾けるようになりました。

Hさんのように、16分音符や装飾音符の「はた」を、実際以上に「速いんだ!」と構えてしまう人はけっこう多いです。
だけど、「はた」=「速い」というイミではないので、落ち着いて丁寧に弾いてみましょう。
案外、なーんだ、こんな速さでいいのか~と思うはずですよ。


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