HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

楽譜をダウンロードすることについて

2016年03月21日 | 音楽のツボ
Tさん(大人):
「二拍三連をマスターできるように」と 自ら取り組んでいる「白鳥の湖・情景」。
これまでは、「ネットで見つけてダウンロードしました」という楽譜を使っていましたが、その後 全音楽譜から出ている「白鳥の湖」ピアノバージョン曲集を見つけたとのことで、それを購入し、そちらの譜面に切り替えて練習始めました。
「こっちの楽譜の方が本物だと思って」と。
Tさん、よくちゃんとした楽譜を見極められましたね。よかったです。
ダウンロード楽譜って、便利だしタダだったりしてお手軽ですが、中にはいい加減なものもけっこうあるので、使うときは相当気をつけて選ばないとダメです。

たとえば白鳥の湖」のように、オーケストラ曲をピアノソロ用にした楽譜。
オーケストラの楽器というのは、弦楽器、管楽器、打楽器その他を入れて、そのパート数はざっと数えてもおよそ20くらいになります。
このたくさんのパートの音楽を、たった2本の手で弾こうというのが「ピアノアレンジ」なわけですから、原曲に比べて音が薄く、貧弱になってしまうことは容易に想像できると思います。
そこをなんとか、できる限り原曲の音色や雰囲気を損なわず、なおかつ原曲の格調と香りを再現できるようにアレンジするには、編曲者の非常な力量とセンスが必要なのです。
また、アニメやポップミュージックの曲と違い、クラシックのオーケストラ曲を採譜するには、音楽の専門教育を受けた人でないと無理。一見 曲の表面に現れていないように見える、様々な知識が必要ですから。

昨今「〇〇の曲を弾いてみた」という動画とか「〇〇を耳コピしてみました」という楽譜などが ネット上でたくさん見られるようになりました。
ポップスやアニメの曲がほとんどですが、それでさえ、「ああ、わかってない人がやったんだな」というものが大変多いです。
調性の指定が間違っていたり、拍子がヘンだったり、小節割りがヘンだったり、パートがはっきり書き分けられていなかったり、そもそもパート自体が捉えられていなかったりと、枚挙にいとまがありません。
ポップスやアニメの曲でさえこうなのですから、いわんやオーケストラ曲においてをやです。

みなさん、ご自分でいろんな曲を聞き取り、鍵盤に移して弾いてみるのは 大いにやってください。
楽譜のない、または手に入らない曲を 自分の力でなんとか再現するのはすばらしいことです。
あいまいだろうが、不正確だろうが、自分一人で弾いて楽しむ分には何の支障もありません。
何曲もそうして弾いているうちに、聞き取りの力もついてくるし、編曲も上手になってくることでしょう。
自分の演奏に物足りなさを感じれば、あれこれ勉強するきっかけにもなります。

けれども、それは自分自身で楽しみ・勉強することとし、人が採譜したものを安易にダウンロードするのは要注意と覚えておいてください。
せっかくの音楽の美しさを逃してしまうばかりか、楽譜の読み取りまでが危うくなってしまいます。

それでは、有名曲やオーケストラ曲を、自分のピアノレベルで弾いて楽しみたいときはどうしたらいいでしょう。
そのことについては、明日 改めて書きたいと思います。

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