はなちゃん(小2)。
「バーナム」を弾いていたら、初めて出てきたこの和音。
はなちゃん、ちょっと困ってしまいました。
『ド』が2つ重なってる…
どうやって弾くのかな。
そうか。はなちゃん、「ド」はこういう姿のものだと思ってるんだよね。
小さい生徒にはありがちな勘違いです。
そこで、先生は五線プレートに「ド」を書き、その上に透明クリアファイルを乗せて,音符を書いていきました。
「これはドでしょ。じゃ、ドの線の、もうひとつ上に音符を書くよ。この音はなんだろう?」
はなちゃん、少し考えて「レ」と答えました。
「そう、レだね。じゃこれはどう?」
先生は、レの隣に、もう1本加線を加えた音符を書きました。
「ミ」はなちゃんが答えます。
「そう、ミだよね。じゃあね、こうしたらどうなるかな」
先先は「レ」の音を消して、「ミ」が書かれたクリアファイルを横にスライド。五線プレートに書いてある「ド」の上に重ねました。
「ほら、このバーナムの楽譜と同じになったね」
はなちゃんもうなずいています。
この和音はね、ドを2つ積んだんじゃなくて、ドとミが重なった音なの。だから、ドとミを一緒に弾くんだよ。
ジャーン! めでたしめでたし。
「中央ド」の音符が子どもたちに与える印象は、その唯一性といいビジュアルといい、かなりのインパクトなんだなぁ、と感じます。
それはもはや「人格」といってもいいくらいで、小さい生徒たちは、真ん中に棒が刺さった 土星のような、あるいは帽子をかぶったような、丸い音符を「ドの姿」として認識しているのでしょう。
そう、子どもたちの頭の中では、「ド」が 五線も加線もお構いなしに、あちこちの空間に浮遊しているのに違いありません。こんなふうに。
だからこそ、さっきのはなちゃんのような当惑も起こってくるのですし、けっこう大きくなって広い範囲の音符の読み書きができるようになっても、「ド」の音をこのように書いてしまったりするのです。
それはけっこう和む光景なので、みんながもっと成長してドに棒をつけなくなったら、それまで度々笑わせてもらった先生は 心の中で「つまんないヤツだな〜」と、チコちゃんの「正解」セリフをつぶやくのでした。
HP HIBARIピアノ教室
Facebook Hibari Music Lesson
Youtube HIBARI PIANO CLASS