Cちゃん(小3):
「こんちはー。本、持ってきたよ」
今日が今年初めてのレッスンですが、先週、ひょっこり顔を出していたので、教室に来るのは2回目です。
持ってきたのは、おじいちゃん・おばあちゃんのお家にあったのをもらったというピアノ曲集です。
昔おばあちゃんたちが使ったものでしょうか。お正月休みに行ったときにもらったそうです。
「エリーゼのために」、「紡ぎ歌」など、昔からの発表会定番曲がいくつも収録されていて、Cちゃんはさっそく「エリーゼのために」を少し教わってきていました。
「はじめの所だけは弾けるよ」と、両手で「A」の部分を弾いてくれました。
「うん、ちゃんと弾けてるね」先生は言いました。
「ちゃんと弾けてるんだけどね、今聞いて、今年の目標が決まったよ」
「え、何、何?」Cちゃんは知りたがりました。
「それは!ここに貼っておこう」
先生は付せんを出しました。
「Cちゃんが書きたい~」というのでエンピツを渡して、先生は言いました。
「指番号を守ること!! コレだよ」
去年のクリスマス発表会で、初めてソナチネを弾いたときに、指番号を守らなくてどんなに苦労したか。でしょ?!
「うん、そうだったね。『指・・番号・・を・・・守る・・・』」
Cちゃんはせっせと付せんに書き込んで、「エリーゼのために」のタイトルの横に貼りました。
よしっ。今年は指番号を守ることが課題だよ。
なぜなら、的確な指で弾くことで、音の仕上がりがまったく違ってくるんだからね。
「たとえば」
先生は言いました。
「この、左手の伴奏、最初のAmの3つの音なんだけど。これを『ラミラ!』というひとつの言葉みたいに、一息で弾かないといけない。それには指使いをきちんとしたものにしないと、きれいに弾けないの。『ラミラ』という形に手を広げておいて、一気にラミラ!と弾いて手をスッと抜く」
Cちゃんはさっそく、「ラミラ!」の弾き方をやってみています。
「こういう区切りを『フレーズ』って言うんだけど、これは文章を読んだり話したりするのと同じことなの。たとえば、『今日、学校に行きました』って言うとするよ。よく聞いてみると、『行きました』の『ました』は、同じ強さで言ってないはず。『まーしーたー』じゃなく、『た!』!の音はスッと軽く言ってるはず。」
「そうだね!言葉に合わせるといいんだね」
Cちゃんはフレーズの抜き方に納得できたようです。
「それならさ、コレに言葉つけようよ。Rちゃんがやってたみたいに」Cちゃんが思いついて言いました。
去年のクリスマス発表会のとき、Rちゃん(小4)が「パイレーツ・オブ・カリビアン」に「味噌ラーメン、塩ラーメン、チャーシューメン、ギョーザ!」と歌詞を付けて見事に弾いたので、Cちゃんも「おもしろそう!」と思ってたようです。
「そうだね!それいいね。そうしよう」先生も賛成し、
「お正月だから『おぞうに』とかさ、おせち料理がいいよ」とCちゃん大はりきり。
さっそく一緒に歌詞を考えました。とりあえず冒頭の部分はこんな感じ。
♪ おもち、もち、おぞうに~
くろまめ~ きんとん~
もち、もち、もち、おぞうに~
くろまめ~ かずのこ~
同じメロディーには同じ歌詞が入ります。
そして くろまめ! かずのこ! と自然な発音で言うのと同じように、ピアノのフレーズも自然体でスッ!と抜くのです。
なんだか真面目なベートーヴェンさんには申し訳ないような「エリーゼ」になりそうですが、演奏の方は柔らかなフレージングを目指せそうです。
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