Sちゃん(年少):
今日は、Sちゃんがレッスン室に入ったら、テーブルの上にいい音のするスズとメロディーベルが置いてありました。
さっそく手に取って、シャンシャン鳴らします。
先生「いい音でしょ?」
S「うん!きょう、これでリズムやる!」
先生「いいよ。じゃさっそく、リズム始めるよ」
エレクトーンのリズム伴奏を鳴らし、いつもはカスタネットでやっている「リズム模倣打ち」を、両手に持ったスズやメロディーベルでやりました。
Sちゃんはリズム感覚がとても良くて、小さいのに少しもまちがえず 先生のリズムを真似してたたきます。
「もう少し長いリズムやってみるよ?」と、リズムパターンを1小節から2小節に伸ばして、もう少し複雑なパターンをやってみるのですが、Sちゃんは長いリズムもちゃんと最後まで覚えて、完全なコピーができるのです。
先生がお手本のリズムを打っている間、Sちゃんは一瞬も目を離すことなく、ヒタと先生の目を見つめていて、先生の打ったリズムをひとつも逃すまいと覚えているかのようです。
今はコロナ禍で、先生はマスクを着けたままのレッスンなのですが、もしマスクをしていなかったとしたら、Sちゃんは「タン、タン、ターアアン・・・」とか言いながらリズムをたたく先生の口元も、ジーっと見つめるんだろうな、と思いました。
リズムが終わってピアノに向かい、まずはSちゃんの好きな「チューリップ」の歌を弾きました。
チューリップのカードを鍵盤の奥に立て、ドの音に、きれいなシールを貼って弾き始めます。
Sちゃんが弾くのは1本指です。
さいた、さいた、チューリップの花が
ならんだ、ならんだ、あか、しろ、きいろ
その他の部分は先生が弾いて、その間Sちゃんはいろんな鍵盤をリズミカルにたたきます。
最後の「・・・きれいだな」のところは、うまくいくとミミレレド、と終われるし、そうじゃないときもあります。
うまく「ミミレレド」と命中したチャンスをとらえて
「今、上手に『ド』で終われたね。ほら、さっき貼ったシールのとこだよ」と言うと、Sちゃんは嬉しそうにニッコリわらって、そのあと弾いた「チューリップ」は、かならず「ド」の音で終われるようになりました。
今日は、12月に行う発表会のオープニング曲にもちょっと触れてみました。
エレクトーンに録音しておいた「ウィンター・ワンダーランド」の曲に合わせて、Sちゃんにはスズやメロディーベルをやってもらおうと思ったのですが、Sちゃんがピアノで曲に合わせることに夢中になっていたので、今日はそのまま続けることにしました。
スィングジャズの曲に合わせ、Sちゃんが即興でピアノを弾き、先生がスズでクリスマスミュージックの雰囲気を盛り上げます。
音楽が終わっても「もう一回やる!」とSちゃんは何度も何度も、曲の再生を要求して、繰り返し「即興演奏」をしました。
こんなに小さくても、子どもだましじゃないジャズの音楽はちゃんと心をとらえるんだな、とSちゃんの感覚に感心するとともに、今、こんなにいい感覚で自由に弾けてるセンスを、我々教師たちが音符とかを教えて、だんだんつまらなくしてしまうんじゃないか・・・と、危惧をおぼえてしまうようなSちゃんの「即興演奏」でした。
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