ヤマトシジミについては,孵化も脱皮も,さらには蛹化場面も直に観察する機会に恵まれないままです。からだがごく小さいので,そうした場面を予見・予測して見るのは困難です。身近ないきものでもあり,棲息数が多いので,いつか見たいものだと淡い期待感を抱いているところです。
9月29日(日)夜。蛹化に入った個体とは別のものが葉に付いていました。からだに白いものがあったので,「ははーん,脱皮したんだな」と思いました。観察すると脱皮で脱いだ皮,つまり殻とわかりました。やっぱりです。殻には毛がどっさり!
9月30日(月)朝。殻がどうなったか,確認しました。幼虫はこれを食べたかどうか,一応見届ける必要があります。見たところ,まったく食べた形跡のようなものは見当たりません。頭部を覆っていた黒い殻が残されているのがよくわかります。 殻ぜんたいの付き方から,からだを葉にしっかり固定して脱皮した様子が窺えます。
ところで,ヤマトシジミの幼虫って,終齢に近いと一様に脱いだ殻を食べないのでしょうか。アゲハの例から考えると,とても贅沢な感じさえします。食草カタバミがいくらでも生えているとかで,すっかり安心しきっているのでしょうか。そうなら,なんだか気まぐれです。これはあくまで個体差の話なのでしょうか。
脱皮後の幼虫は,近くの葉に移動していました。保護色をまとっているのでよく探さないとわかりません。カタバミはほんとうにあちこちにあって,餌はいつでも口に入る感じです。考えれば,贅沢な生き方です。
一つの事実からあれこれ想像を巡らすと,いろんなおもしろさが見えてきます。