快晴の一日,深まる秋を感じながら,中蒜山登山を堪能してきました。登山口は,その朝,薄氷が張ったとか。氷点下の寒さです。自動車から降りて,一瞬,ひやっとした空気を感じたはずです。登山口地点は標高520m。
ススキの穂を横に見ながら,さあ,出発!
真っ赤に熟した実が秋を鮮やかに彩っています。登山者を歓迎するかのように。
1合目を過ぎてから沢を五つ越え,整備された林間の登山道を一歩一歩進みます。この日,岡山市の中学生250人が登山で訪れていました。先に出発したわたしたちを,すいすいと追い越していきました。
途中,植林されたヒノキの根元を通過しました。根が階段になっています。人間にずいぶん貢献しているようですが,ヒノキはけっしてそれを喜んではいないでしょう。わたしにはなんだか殺風景に見えました。
大山を訪れたときの紀行文でも書きましたが,人の通る道にオオバコが生えていました。5合目付近です。種子が靴に付着して運ばれ,蒜山でもここまで分布を拡げてきているのです。
ブナを見ると,こころが安らぎます。その昔は,もっともっとたくさん林立していたのではないかと思うと,さびしい程のブナ模様でした。
やっぱり,登山道には落葉樹がピッタリです。秋の匂いがたっぷり漂っています。
沢を過ぎると,もう一直線といわんばかりの道です。ひたすら,前を見て,上に向かって登り続けるのです。わたしたちは,体力に合わせてじつにのんびり登って行きました。急峻ですが,階段が整備されていて,まことに快適な登山道です。林間に差し込む日差しの気持ちよさは上々。目で秋を満喫しながら,肌で風を感じながら,ゆっくり,ゆっくり進みます。