成虫を持ち帰って写真に残すことにしました。 実際に写そうとすると,なかなかうまくいきません。警戒心があって,なかなか静止してくれないのです。そんななかで,なんとか何枚か撮ることができました。
壁に付いているときに大急ぎで全身を撮りました。瑠璃色の帯がなんともみごとです。
昆虫の観察では,なんといっても眼が見逃せません。眼には毛が密生しています。眼の機能を保護しているのは明らかです。樹液を吸うために木を訪れます。樹皮やら他の昆虫やらがいるでしょう。ふだん雨に濡れることもあるでしょう。いろんな災いに対する備えのはず。
別の角度から撮りました。毛も翅裏も脚も,樹皮の色に似せていることがわかります。これだと,外敵に見つかりにくいでしょう。その上で,厚い毛がからだを守っています。これによって,冬を無事に越すのです。
頭上から見てみました。眼の毛がこんなにも密集していることに驚いてしまいます。個眼一つひとつから生えてきているのでしょうか。瑠璃色の毛が非常に特徴的です。
眼をトリミングしてみました。毛がまるで針のようです。これで,雨粒は弾かれて入らないでしょう。ゴミも途中で引っ掛かっています。さらにようく見ると,その根元に個眼が見えます。
脚の毛は棘状になっています。先の爪は,ものにしっかりつかまるためのもの。脚も保護色で,たいへん細かな色彩であることがわかります。
触覚も保護色。まことに地味です。
ルリタテハの生き残り戦略は,これまでのルリタテハ自身の積み上げの結果,功を奏してきたもの。しばし,すてき写真モデルになってくれました。撮影後,来春の再会をたのしみにして外に放ってやりました。