間もなく蛹化するというこの時間帯,ちょうど夕食と重なりました。見逃しては勿体ないすぎる変化,出合いです。それで,夕食を食べながら,ときどき変化を確認しました。それでも,気が気ではありません。急いで夕食を済ませて,観察に集中しました。
ファインダーを覗いてしばらくすると,動きが激しくなりました。「蛹化のときがやって来たんだ」と思っていると,尾の方に殻が皺状になって集まりかけました。これが午後7時32分。
午後7時33分。頭部の殻が裂け,蛹が覗きました。
午後7時34分。殻がどんどん押し上げられ,からだが見えてきました。触覚と脚がくっきりしています。
午後7時35分。殻がほとんど押し上げられました。棘状突起が密集しています。からだの鮮やかな赤茶色が印象的です。
同じ午後7時35分。蛹はからだを前後左右に激しく揺すって,殻をひと塊にしようとします。
午後7時36分。殻が一つに固まった状態になりました。
午後3時39分。数分間,さなぎは殻を落とそうともがき続けました。突起がからだに接触していることから,脱皮が完結していないとわかるようです。ふしぎ,ふしぎ。しかしダメだとわかったらしく,とうとう諦めました。からだに動きがピタリと止んで,一直線に垂れ下がった光景は神秘でさえありました。
観察のタイミング,幸運を感じる出合いになりました。
ルリタテハの生活環を調べると,わたしの住む地域だと多化性で年3回(6~7月,8月,10月)の発生だとか。そして,越冬態は成虫と書かれています。そうなら,この個体はまちがいなく間もなく羽化して,それが冬を越すということになります。それに,蛹はツマグロヒョウモンと同じくぶら下がり型。やっぱり! こんな情報を得たら,とことん付き合いたくなってきました。