自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アカタテハの受難

2013-10-25 | 昆虫

畑の手入れをしていると,ダイコンの葉にアカタテハが一頭。弱っているような,からだつきがふつうでないような。おかしいなと思って,それでもそっと近づいてみました。すると,左の翅がどうやら縮んだままのようです。メガネを掛けてもっとよく見ると,やはり変形しています。道理で飛べないはず。

いったい,どんなところでどんなふうに翅が災難を受けたのでしょう。翅が伸びない状態は,どうも羽化直後の異変を物語っているように見えます。

しかし,アカタテハの幼虫の食草はカラムシやイラクサなので,羽化時の災難なら,畑の近くに食餌植物が生えていなくてはならない理屈になります。ところが,そうした草はまったく見当たらないのです。 

となると,こうなった経緯を推し量るのはますます困難です。無理に解釈すれば,この個体が鳥に襲われたぐらいが浮かんでくるだけです。その解釈にしても,翅の縮れとは簡単に合いいれそうもありません。

ところで,アカタテハは成虫越冬をします。もしこの成虫が飛べたなら吸蜜を繰り返してこのまま来春まで生き抜くのではないかと思われます。急に冷えてきましたから,間もなく霜が降ります。今から産卵を経て一代を繰り返すとはちょっと考えられません。かわいそうですが,ここでいのちのリレーは途切れるのでしょう。これも自然のありのままの姿です。

 


ようこそ,ルリタテハの幼虫(再)

2013-10-25 | ルリタテハ

採集した終齢幼虫が前蛹に変わって,前蛹が蛹に変わって,そうして間もなく成虫になろうとしています。

10月22日(火),夜。ルーペで見ると,翅の辺りがなんだか黒っぽいような,紋様が見えそうな,そんな感じがしています。そろそろ羽化期が迫った感じです。

10月23日(水),朝。昨夜と比べて様相が大きく変わってきました。見るからに黒ずんでいます。

翅の部分がなんだか透きとおって,紋様が薄っすら見えているような感じがします。この後激変して,中が見えるようになるでしょう。そうして,あと一日ほどで羽化すると思われます。 

夜。透明感が増して,翅の姿がはっきり確認できます。 

10月24日(木)朝。一日でからだがどんどん透き通ってきました。なかでも,翅の紋様がくっきり見えます。空気層が万遍なく全身に行き渡ったようです。いよいよ羽化に向け,準備完了の合図が出たと思われます。その臨場感が伝わってきて,目が離せません。

 

なのに,この日はしごとに出かけなくては。飼育箱を自動車に積んで出発です。運転中に羽化するかもしれない状況です。どうなることやら。