ヤマトシジミを観察していると,必然的に食草カタバミに目が向きます。タカバミと付き合っている感じかもしれません。そんな中で,ずっとずっと気になっていることが一つありました。
それが最近になって,すこしだけわかりかけたように思います。それは葉の裏に付いたごく小さな,赤い球のことです。「なにかの卵にはちがいないが,いったいなにが産み付けたのか」 。その疑問が解けずにいたのです。
下写真の場面を観察できたのが,疑問氷解の動かぬ証拠といってもいいでしょうか。丸いものはどうやらクモのものらしいのです。脚が8本なのでクモであることはまちがいありません。クモの大きさは,この写真の横サイズ(1cm)から想像ができるでしょう。
卵はあちこちにばらばらにくっ付いています。白い殻のようなものがかたまってあります。クモの右に,黒いものが見えます。
この部分をトリミングして,確かめてみましょう。
白い殻には突起がたくさん見えます。卵にはそれがありませんから,もしかすると,脱皮して脱ぎ捨てた殻なのかもしれません。それにしても集団で脱皮するとは,おもしろい習性の持ち主です。
そして,クモの右の黒いものを見ると,赤い突起のようなものと白い線状のものが見えます。これは,クモが誕生している瞬間なのかもしれません。それをクモが見守っているとも考えられます。
このクモはタカバミのあちこちに棲息しています。ヤマトシジミの幼虫や蛹のからだの上を歩くこともあります(下写真)。これだけいるのは,食べ物があるからでしょう。それなら,なにを食べているか,です。 世界中のクモは4万種。最近中央アメリカで発見された一例を除いて,すべてが肉食とされています。疑問が深まります。
こんなわけで興味は尽きません。しかし,名前がわからないのです。宿題になりそうです。
[追記]後日わかったのですが,アカダニでした。