自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ツマグロヒョウモン,地面で羽化

2014-06-23 | ツマグロヒョウモン

このほど,スミレの葉の裏にぶら下がり蛹化したツマグロヒョウモンの個体の羽化を写真に収めました。今回のように,一部始終きちんと観察しながら撮影できる機会はそうあるものではありません。幸運だったと感じています。

蛹化したとき,スミレの葉は緑色をして元気だったのですが,その後,枯れていきました。それで,蛹は地面に倒れるようなかたちになったのです。

継続観察をしていると,翅が透き通って見え始めました。羽化近しの兆候です。翅の紋様はオスであることを示しています。

 


何度か個体の変化を観察しているうちに,ゆっくり殻に裂け目が入りかけました。 

 

 
裂け目が大きくなり,やがて複眼が見えてきました。

 



脚で殻を押し開き,触覚が現れました。 

 


殻からからだが出たとき,翅はとても軟らかい感じです。 

 

 
翅を広げなくてはならないので,個体は近くの高いところを目指しました。その位置に着くと,肛門から体液を排泄しました。それがスミレの果実に付着しました。

 

 
この位置で静かにしているうちに,やがて翅が広がっていきました。

こうして無事に成虫が誕生しました。いつも,大変化は観察者の目を引き付けます。理屈抜きに感動的です。今回もそうでした。タイミングのよさに改めて感謝。

 


アカタテハの成長を追う(1)

2014-06-23 | アカタテハ

アカタテハの幼虫の食草はカラムシ。カラムシの群落を探すと,幼虫の所在がちゃんとわかります。幼虫は吐糸で葉を綴って筒状の棲みかをつくり,しばらく中で暮らします。

小さな幼虫は,頂芽に近い小さめの柔らかな葉を,大きな幼虫は大きめの葉を使います。筒状になっているのは,葉が裏返しになっていることでわかります。離れていても,すぐに目に付きます。

 

 
申し訳ないと思いつつ,中にいる幼虫を観察してみました。脱皮して脱ぎ捨てた皮が残っていました。幼虫は見当たりませんでした。葉をほとんど食べたので,場所を移動していったのです。

 


別の葉を見てみました。小さな葉に,小さな幼虫がいました。2齢幼虫ぐらいでしょう。 

 

また別の葉で,3齢程度の幼虫を見かけました。それを新しい葉においてみました。幼虫は激しく動き回りました。日光が災いしたようです。しかしそこから逃げる様子はなく,ウロウロしていました。

 


おもしろいことに,幼虫はその葉を棲みかにしようと決めたようで,葉の端を寄せてきて絹糸で筒を作り始めたのです。その動きの,なんとすばやいこと!  早く隠れ家を作らなくてはという焦りが見えたように思われました。

 


筒が完成すると,元の位置に戻って静止しました。 

 


このあとの動きを,観察しようと思っています。食事行動,脱皮行動が見られるかもしれません。 

 


ジャガイモ畑の地表イモ

2014-06-23 | ジャガイモ

ジャガイモは,その第1節からストロンを四方八方に伸ばして塊茎を形成します。どの程度伸びるか,あるいは伸びないかはジャガイモが決定する生理的な選択なので,予測不能です。

なかには,まったく伸ばすこともなく,主茎に直接塊茎がくっ付いたような状態になる例があります。これは,無駄なエネルギーを省いて手っ取り早く養分を貯め込む作戦です。しかし,複数の塊茎が同じ地点で肥大化するのは,物理的に困難なわけで,すこしはストロンを伸ばして塊茎が散らばっているのが理想的です。

畑での栽培なら,ふつうは人手で根元に土寄せをし,塊茎ができやすい状態をつくります。 ところが,葉が生い茂ったり,密植状態だったりすると,土寄せをしなくても根元が暗くなっています。そうした環境は地中とほとんど変わりません。そのために,地表スレスレに塊茎ができることもあるのです。

下写真は,我が家の畑でつい先日撮った写真です。3例ありました。

 


これらの現象は,種子から栽培している平床育苗箱のジャガイモとそっくりです。