自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

集落のモリアオガエル

2014-06-20 | 生物

つい先日,職場の同僚が「モリアオガエルって天然記念物ですよね」 と聞いて,とても珍しいような話をし始めました。そこから話が弾んだのですが,内容はさておき,モリアオガエルはあまり見かけないカエルですが,種そのものが天然記念物に指定されているわけではありません。

生態の珍しさや数の少なさから,棲息環境を守ろうとする試みが発展して棲息地自体が地元自治体などから保護区域に指定されている例はかなりあります。

わたしの住む市でも,相当数棲息地が点在します。静寂な池の周り,山間部にある里山と水田の境界などです。どの地域も保護区域にはなっていません。

さて,同僚と話した翌日の話。畑で仕事をしていると,ヨッさんから電話が入りました。「所有林に行ったら,谷川の水溜まりの上にモリアオガエルの卵の塊りが2つ付いとるんや。案内するで」という内容でした。

さっそく,そこに案内してもらいました。集落内の山中です。谷川に砂防ダムがあり,そこに小さな水溜りができています。その上,3mほどのところにある木の枝に卵塊が二つありました。よく探すと,離れたところにも一つ。


今の時期,谷川が増水すると,水溜りにいたオタマジャクシは流されていくでしょう。棲息環境としてはもう一つかなという感じです。ただ,ヘビのような天敵には狙われにくいよさがあるのかもしれません。

ヨッさんは,オタマジャクシが落ちるのを見たことがないとおっしゃったので,「それなら,持ち帰って観察してください」といいました。結果,下に水甕を置いて見てみようという話に落ち着きました。


それはともかくとして,集落内にモリアオガエルがいることがわかり,このカエルがまだなんとか生きていける環境が残っていることが確認できたのでした。