アゲハの庭園で,下写真の前蛹を発見しました。食草ウマノスズクサのすぐ脇に植えたレモンの木で,こんなふうに蛹になろうと決めたのです。
人工物ではないものに帯糸をくっ付けて蛹になるというのは,貴重な例です。大抵は塀であったり,トタン板であったり,金網であったりします。それで,「これはしめた!」と思い,経過を写真で記録することにしました。
カメラを据え,変化の兆候をときどき確認。やがて表皮に大変化が起こり始めました。
頭部・胸部が二つに裂けてきて……。
瑞々しい蛹が見えてきました。
帯糸が緩やかに曲がってからだを支えています。
表皮が帯糸の内側をとおって,後方に送られていきました。
蛹は表皮を落とそうと必死になりました。くねくね,くにゃくにゃと,盛んに動き続けました。そうして,そのうちにポトリと落ちていきました。
ここまででたった5分のドラマでした。いのちが絡むドラマは,いつもこころを打ちます。