自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

“サル博士”の講演会

2014-06-02 | 随想

少し前の話になります。篠山の森公園で,サル博士こと河合雅雄先生の講演会が開かれました。わたしと妻は,河合先生の生い立ちや,業績,それに語り口にずっと関心をもち,惹かれてきているという理由があって,今回も拝聴させていただきました。“今回も”というのは,毎年ということなのです。

今回の演題は『争うことのきらいなサルたち』。90歳の先生に,なお衰えることにないひたむきな研究心,研究の蓄積のあれこれが具体的に刻まれていることに驚きを禁じえません。こんなことをいうと失礼かとも思うのですが,年齢を考えさせないほどに,サル研究から人間のあり方を考える視点がじつにくっきりしているのです。生涯をサル研究に注いでこられた情熱が,この歳になってぐっと熟してきているなあと感じました。

カビが生えてすっかり色褪せたスライド。河合先生には第一級品なのでしょう。争うことの好きな霊長類の代表はチンパンジー,嫌いな代表例は手長ヒヒ,ボノボ。争うがないというころは言い換えれば順位,優劣が存在しないということ。この巧妙なしくみをつくり上げているヒヒの実態に迫るために,アフリカのとんでもない奥地を訪れ,研究された経緯を語られました。

 


自ら争うことを国是とするような人間のあり方は,サルの研究成果からは途方もなく外れているのだとか。それを「愚かな行動」と言い表して説明されました。英知が傲慢さにすっかりすり替わっている人間の行動というものが,軌道修正する時代が来るのでしょうか。霊長類研究の深さが,またずしーんと迫ってきました。

汲めども汲めども汲み尽くせぬ追求心が,河合先生を揺り動かし続けるエネルギーです。「お聴きできて,あー,よかった!」と大満足。お蔭さまで,今回も知的な刺激をいただきました。


敷地内を散策していると,目に入ったのがクリンソウ群落。傾斜地の一帯にクリンソウが咲き誇って,ハチが訪れていました。すてきな一日になりました。 

 


終齢幼虫へ脱皮

2014-06-02 | アゲハ(ナミアゲハ)

4齢幼虫が終齢期を迎えるときは,からだが大きく変化するときです。それで,十分に時間をとって変化に備えます。“十分な時間”は丸一日以上を要するように,わたしには見えます。

20時11分。4齢幼虫が静止してから一日以上が経ちました。からだが少しずつ青みを帯びてきました。終齢幼虫の皮膚が整ってきた証拠です。からだがしきりに,小刻みに動きます。といっても,震わせるといった方がぴったりです。それで,「ははーん,脱皮が近づいたな」と感じとることができます。 


20時40分。からだが大きく動き,脱皮が始まりました。頭部の皮が裂けて,青い体表が現れてきました。 


20時42分。からだの前半分が現れました。 


20時44分。 脱皮が始まって4分。皮から完全にからだが出てきました。初々しい姿です。


21時48分。出た方向で,静止します。 

 
22時00分。10分ほど経って,からだを反転。先程脱いだばかりの皮を食べ始めました。


22時05分。どんどん食べ続けました。 


22時09分。食べ終わるまでに,途中,休むということはありませんでした。自分の皮を食べるという,勿体ない精神の発露,あるいは習性に脱帽です。 

 
無事に脱皮完了! 脱皮に伴なう一連の変化は,なんとも流れるようにして推移していきました。こうして大変化が完結したのです。 

 


北海こがね(ホッカイコガネ)の実!(1)

2014-06-02 | ジャガイモ

6月1日(日)。畑に行ってタマネギを収穫するついでに,ジャガイモの実ができているかどうか確認。どうも期待外れだなと思いながら見ていくうちに,目にとまったのが紛れもなく『北海こがね』の実! 半ば諦めていただけに,「ヤッターー!」という気持ちが湧いてきました。


実を生らそうと思っても生らないのがふつう。めったに実が生らないように品種改良がなされているだけに,こうした出会いは稀です。そんな中,実が比較的生りやすいというこの品種を植えて,ドンピシャリ当たりました。なんとラッキーな!

その写真をご紹介しましょう。

どの花も受粉し結実しています。この日,ヒメヒラタアブの仲間が柱頭にとまっているのを見かけました。たぶん訪花昆虫なのでしょう。


この花の塊りも,ほとんどが結実しそうです。


花柱がちゃんとメシベの名残りをとどめています。


受粉に至らず,落ちてしまった花もあります。


株は20余り。まだ蕾の花もあります。開花している株では,ほとんどに実が生っています。これなら,「実が付かない方がめずらしいぐらい」という表現も誇張だとは感じません。

もし,学校でジャガイモを栽培するなら『北海こがね』がお薦めです。学びに広がりが出てくるでしょう。

せっかくなので,我が家のジャガイモの実については今後継続してご紹介していきましょう。