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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

前蛹から蛹へ

2014-06-08 | ベニシジミ

ベニシジミの蛹化を観察撮影していて,「なるほどな」と合点のゆくことが一つありました。それについて触れておきましょう。

わたしの指が触れたために,前蛹がひとつ葉から落下してしまいました。帯糸が切れてしまったのでは,傾斜面にはおけません。それで,葉の表におくことにしました。そこは比較的水平に近い面です(下写真)。

12時45分。幼虫から前蛹になって,一定時間が経ちました。間もなく蛹化が始まりそうです。帯糸がないことで,なにか不都合が生じないかと思いながら,観察を続けました。帯糸はからだを固定するものです。なければ,動きが生じた場合,「トラブルが起こるのではないか。落ちるかな」というのがわたしの単純な思いでした。


14時50分。蛹化への大変化が始まりました。表皮が薄く剥がれる兆候が見えてきました。


14時55分。表皮が脱がれていきます。同時にからだが前に移動して,ほんとうに葉から落ちそうになりました。それで,わたしは軽く元に戻しました。あとはそのままにしておきました。やはり,帯糸がなければからだがとても不安定になります。今回の事例をとおして,とてもはっきりわかった点でした。


14時56分。脱がれた皮は尾部にかためられていきます。


15時45分。完全に脱皮が完了した後,薄緑をした蛹が静かに横たわっていました。


17時07分。4時間が経ちました。時間の経過とともに,黒っぽい斑点・紋様が表れてきました。


21時19分。蛹化後8時間が経ちました。薄い緑色よりも黒い紋様の方が目立っています。


やはり,しくみというのは合理的・論理的に仕上がっているものだなあと舌を巻いた次第です。