自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

羽化! なのに,……

2014-06-15 | ベニシジミ

ベニシジミの羽化を見たくって,スイバの株を植えた鉢で飼ってきた幼虫が7個体。そのうち1個体は天敵の被害に遭って蛹化に至らず。残りは6個体。このうち少なくとも1個体で羽化を激写しなくちゃと待ち構えていました。

ところが,そうはうまくいきません。ほんの十数分間目を離しているうちに,なんと羽化済み! それも何時間もじっと見つめていた結末がそうなのです。下写真の下中央に殻が写っています。  

 
別の個体。葉の裏側で「羽化近し」の兆候を観察。色から判断。

 
8時間じっと待ち構えていました。ところが,ほんの数分目を離した隙に出終わって,すでに翅を広げ終わっていました。

 
また,別の個体。やっぱり同じ失敗を繰り返しました。じっと見ているのはほんとうにたいへん。下写真のような場面を見ると,落胆してしまいます。

 
またまた別の個体。2,3分間,見ていなかっただけで絶好のチャンスを見逃しました。翅がまだ縮んでいます。


最後の個体。 


色合いから,羽化はまだだろうと思い込んでいたら,10分後に羽化! もちろん,その一瞬は居合わせませんでした。 

 
翅がもう広がっています。ここまで「残念!」「がっくり!」の繰り返しでした。決定的瞬間を激写できる幸運にはなかなか恵まれません。仕方なしです。先のたのしみに置いておきます。

それで,観察をとおしてとても印象深く感じた点を2つ書いておきます。1つは,ジャコウアゲハのような大きめのチョウと異なり,羽化時の予測が困難なこと。2つには,羽化後,翅が速やかに広がること。つまり,小さい昆虫ほど成長・成熟・変化にかかる時間“生理的時間”が短くなるといえます。そんなわけですから,小さいほど変化が肉眼で確認しにくいことに合点がゆきます。

それにしても,今回の観察は苦労続きでした。