自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホトトギス,花の構造(続)

2016-12-01 | 

11月初めのこと。ホトトギスの実は,下写真のように受粉がうまくできたと思われる子房が数個生長。それで期待感をもって見守ることに。 

 
実のなかには,種子の幼子が透けて見えているものもあります。


印象では,99%以上が受粉できていないようで,花がどんどん落ちていきます。 


12月に入った初日,つまり12月1日(木)。見ると,実の先が裂けかけています。結実率はきわめて低く,実を数えてもたったの5個。無数の花のなかで,たったのこれだけです。1000個花があったとすると,0.5%ということになります。その5個にしても,見た目じつに頼りなくって,実が充実しているようには見えません。それで,開いてみることに。


思ったとおり! これでは種子どころではありません。さっぱり太っていないのですから。太り気味の種子が数個ありますが,それだってどうも頼りないばかり。でも,これがふつうの姿なのかもしれません。


他の実を開いてみました。ほとんどが生長を停止したまま。


また別の実でも同様です。この種子の長さは0.7mm。


道理でこれまで実が付いていたという印象がなかったはずです。一般的に結実率がこんなに低いものなのか,目の前の株が結実しない種なのか,よくわかりませんが,それにしても実を結ぶという点からするとホトトギスの花はすくなくとも99%以上が無駄花だったことになります。ふしぎな花です。