初冬の朝。快晴。公園の空気はヒヤッとしていて,強い日差しが頭を照らします。黄や茶に色づいた,山の広葉樹は葉をゆっくりゆっくり落としていきます。
公園にはあちこちにセイヨウタンポポが咲いています。その数は目立つほどです。綿毛もあちこちに。一年中咲き続けるひみつが隠されているだけに,さすがにたくましい種です。
小さな昆虫がいると思って見たら,ツマグロキンバエ(メス)でした。「よし,よし」と思いながら,そっと近寄って写真に収めました。花粉がからだに付着しています。わたしの気配を感じるとすぐに向こうに行ってしまいました。
花を順に見て行くと,ツマグロキンバエは意外とあちこちにいました。寒いのに,ずいぶん頑張っているのでびっくり。
別の昆虫もいました。キゴシハナアブです。一つの花で,ツマグロキンバエとなかよく花粉や蜜を舐めています。それも,ぐっと頭を突っ込むようにして。
これらの昆虫たちは間もなく活動を停止します。そう思うと,なんだか名残り惜しそうな風景に見えてきました。